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米、日本から首位奪還目指すスーパーコンピュータ計画

» 2004年05月13日 08時40分 公開
[ITmedia]

 米エネルギー省(DOE)は5月12日、スーパーコンピュータの分野で日本に奪われたリード奪還に向け、オークリッジ国立研究所(ORNL)および開発パートナーとなるCray、IBM、SGIに2500万ドルの予算を拠出すると発表した。

 ORNLは50テラFLOPSの処理能力を備えたスーパーコンピュータの構築に向け、ベンダー各社やユーザーと協力してシステムアーキテクチャを決定する。CrayとIBMのほか、DOE傘下のアルゴンヌ国立研究所や大学とも緊密に連携。このコンピュータはDOEの研究に使われるほか、世界の研究者にも開放する。

 現在ORNLにある「Cray X1」の処理能力は年内に20テラフロップに増強され、2005年にはCrayの20テラフロップのRed Stormベースのシステムが加わる。アルゴンヌ国立研究所はこのプロジェクトの一環として、5テラフロップの「IBM Blue Gene」を導入予定。2006年にはORNLで100テラフロップのCrayシステム導入が計画され、2007年には250テラフロップに増強される可能性もある。

 世界最速スーパーコンピュータの上位500機種ではNECの「地球シミュレータ」が首位を維持しており、米国では日本に遅れを取ることを懸念する声が出ていた。

 エネルギー相のスペンサー・エイブラハム氏は「日本が地球シミュレータによって科学コンピューティングの新時代を切り開いたことは疑いようがない。米国はこの新時代において再び最先端に立つために、相応のコミットメントが必要だ。本日の発表は、このコミットメントを示すものだ。これはハイエンドコンピューティングにおける米国の取り組みを活性化させる役割を果たすだろう」と語っている。

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