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» 2004年05月19日 19時51分 UPDATE

“中国因特網”の歴史を振り返る

中国で初の因特網(インターネット)接続が確立されたのは10年前の今週だが、万里の長城を越えた国際接続はその前から行われていた。インターネットに至るまでの中国の取り組みを簡単に振り返る(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 10年前の今週、中国で初のインターネットへの直接接続が確立された(5月17日の記事参照)。しかし同国でのコンピュータネットワークの歴史は、そのずっと前にさかのぼる。

 多くの国と同様に、同国最初のコンピュータネットワークはマシン同士をつないだもので、それが後に、公衆データネットワーク上で、X.25プロトコルを介して一群のマシンを相互に接続するという形に進化した。ほかの国と同様に、初期の段階では学術・科学セクターがネットワーキングにおいて主導的な地位を立ち、コンピュータによって、離れた場所で同じようなテーマに取り組んでいる研究者たちのデータ共有や電子メール交換を促進していた。

 1986年、北京コンピューター応用研究所(ICA)の研究者が独カルルスルーエ大学と共同でChina Academic Network(CAnet)を構築、中国の主要な公衆データネットワークの1つとなるものの原型が初めて誕生した。その1年後、北京の中国科学院高能物理研究所(IHEP)がジュネーブの欧州合同素粒子原子核研究機構(CERN)と共同でネットワーク間接続への取り組みを開始した。IHEPは後に中国初の完全なインターネット接続を確立したが、その前にほかの多数の機関が国外の大学やネットワークとX.25ベースの接続を確立している。

 以下に中国初のインターネット直接接続に至るまでと、その後の主要な出来事を簡単に記す。

1986年 北京ICAがカルルスルーエ大学の支援を得てCAnetを立ち上げる。

1987年 IHEPが初の国際接続を確立。接続先はジュネーブのCERNだった。

同年 北京のICAがSiemensの7760/BS2000コンピュータで、300bpsのパケット交換式データネットワークを介してカルルスルーエ大学と接続。CAnetでは初の国際接続の確立となる。その後一月と経たないうちに、チェン・ティエンバイ氏が中国初の国際電子メールを送信。その送信日とメッセージのタイトルに関しては諸説がある。送信日は9月14日で、「われわれは万里の長城を越えて世界の隅々にまで到達できる」というタイトルだったという説もあれば、送信日は9月20日で、タイトルは「万里の長城を越えて世界に加わる」だったとも言われている。

1990年10月 国防情報網ネットワーク情報センター(DDN-NIC)で、チェン氏が中国を代表して同国の国際トップレベルドメイン「.cn」を登録。同国にはまだ直接インターネット接続はなく、.cnネームサーバはカルルスルーエ大学に置かれた。

1991年3月 IHEPがスタンフォード大学線形加速器センター(SLAC)との間に、DECnetを介して直接ダイヤルアップ接続を確立。

1992年12月 精華大学で中国初のTCP/IP学内ネットワーク「TUNET」が稼動。

1993年3月2日 IHEPと北京空港の衛星地上局の間に信頼性のある接続を確立する際に問題が発生。その後、64Kbpsの接続が完了し、現地時間の午前7時19分にIHEPに正式に引き渡された。

1994年1月 米エネルギー省のエネルギー科学ネットワーク(ESnet)と合意に至る。これにより一定の条件(すべてのESnetサイトに通知するなど)を満たす限り、中国のIPトラフィックをインターネット上で転送できるようになった。

同年2月 IPトラフィック開始準備として、IHEPが中国で初めてCiscoのルータを導入。米国側の接続はSLACからESnetに引き渡された。

同年4月18日 ESnetサイトに、中国のIPトラフィックが間もなく同ネットワークの横断を開始すると通知するメールが送られた。この通知は、中国が直接IP接続を確立する際に満たさなくてはならない条件の1つだった。

同年5月15日 IHEPが中国初のWebサーバを設置。このサーバはIHEPのホームページをホスティングし、このページには同機関や中国の技術、文化や旅行に関する情報が掲載された。

同17日 SLACから米西海岸の主要なインターネット交換ポイントFIX-Westへの接続が確立され、IHEPの接続が完全にインターネットに公開された。

同21日 .cnドメインを管理するルートサーバがドイツから中国に移される。

同24日 中国科学院、北京大学、精華大学による中国国家コンピュータおよびネットワーク施設建設(NCFC)プロジェクトが、Sprintの回線を介して米国と64Kbpsの直接インターネット接続を開設。テストとして、精華大学から米メンロパークのスタンフォード研究所(SRI)にTelnet経由でメッセージを送信した。ラウンドトリップタイムは3分。メッセージは北京でインターネット接続が開通したことを知らせる内容で、インターネット協会のヴィント・サーフ氏に送られた。

同年6月28日 北京化工大学が東京大学理学部の支援を受けて、専用線からのインターネット接続のテストを開始した。

同年7月18日 IHEPが64Kbps回線を介して、筑波大学の高エネルギー物理学研究所と2番目の国際DECnet接続を確立。

同年9月20日 北京化工大学が東京工業大学と直接インターネット接続を確立。

統計で見る中国インターネットの成長

以下にユーザー数、.cnドメイン登録数、国際帯域幅の合計、中国のネットワーク上でホスティングされているコンピュータの数を示す。

ユーザー ドメイン 帯域 ホスト
1997年10月 62万 4066 25.4Mbps 29万9000
1998年6月 120万 9415 84.6Mbps 54万2000
1998年12月 210万 1万8396 143Mbps 74万7000
1999年6月 400万 2万9045 241Mbps 146万
1999年12月 890万 4万8695 351Mbps 350万
2000年6月 1690万 9万9734 1.2Gbps 650万
2000年12月 2250万 12万2099 2.7Gbps 890万
2001年6月 2650万 12万8362 3.2Gbps 1000万
2001年12月 3370万 12万7319 7.4Gbps 1250万
2002年6月 4580万 12万6146 10.3Gbps 1610万
2002年12月 5910万 17万9544 9.2Gbps 2080万
2003年6月 6800万 25万651 18.2Gbps 2570万
2003年12月 7950万 33万7066 26.6Gbps 3090万

資料:中国ネットワーク情報センター(CNNIC)が半年おきに発行する中国のインターネットの発展に関する調査報告書

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