ITmedia NEWS >

Intel、次世代ファームウェア技術のコード公開へ

» 2004年06月02日 08時37分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Intelは6月1日、次世代ファームウェア技術の「Foundation」コードを、年内にCommon Public License(CPL)の下で公開するべく、ソフト共同開発サービスプロバイダーのCollabNetと準備を進めていると発表した。

 Foundationコードは「Tiano」というコードネームでIntelが進めてきたBIOS後継技術開発プロジェクトから生まれている(1月8日の記事参照)。BIOSは20年以上にわたってPCを支えてきたプリブート環境だが、その後継技術は最新のソフト技術を基盤に、プラットフォームの管理性、サービス性を高め、旧来のBIOS環境では実装が不可能だった高度な管理インタフェースの提供を目指している。この技術に基づく次世代ファームウェア製品は、American MegatrendsやInsyde Softwareなどの協力BIOSベンダーが提供する。

 Intelは、Foundationコードとファームウェアドライバ開発キットを公開する計画。これにより、CPLの下、Foundationコードと開発キットに1社が加えた変更点はすべて、他社も利用できることとなる。

 Intelソフトウェア&ソリューション部門副社長のウィル・スウォープ氏は、コード公開の理由を、「ファームウェアはすべてのプラットフォームにとって重要な要素であるため、半導体ベンダーもシステムメーカーも、Foundationコードに安定性を求めている。自由なアクセスと変更点の共同管理により、相互運用性を維持することができる」と説明している。

 Intelの次世代ファームウェアプロジェクトは、Extensible Firmware Interface(EFI)仕様の実装版だ。EFI仕様では、システムの制御をプリブート環境からLonghornなどの次世代OSへと引き渡すためのインタフェースの詳細をまとめている。

 Intelの発表資料に、Microsoftの技術エバンジェリスト、トニー・ピアース氏は次のようなコメントを寄せている。「Microsoftは次世代WindowsのLonghornにEFIブートサポートを加え、オープンな業界標準へのコミットを継続する。Intelが今日発表したFoundationコードのコミュニティー開発体制への参加は、システムメーカーとファームウェア各社が、新しい、エキサイティングなプラットフォーム技術革新を顧客に提供する一助となるだろう」

 CPLは、Open Source Initiative認定ライセンス。参加企業が個別の商用製品を作り出す機会を保ちつつ、各社共同の開発作業を推進している。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.