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SCO、「IBMの不正」を裏付けるコードの特定難航か

» 2004年06月04日 08時42分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米連邦裁判所に提出された書類によると、SCO GroupはIBMから提示を受けたUNIXソースコードの中から、「IBMはUNIXコードをLinuxに不正流用した」という自社の主張を裏付ける部分を特定するのに困難を抱えているようだ。

 SCOは先週提出の書類で裁判所に、IBMがこれまでに提出したファイルは「不完全」だと訴え、AIXとDynixの開発に関するさらなる資料の提出をIBMに命じるよう求めた。

 米連邦地裁判事は今年3月、IBMに対して、AIXとDynixのソースコードをSCOに提示するよう命じている。SCOは5月28日付けの裁判所提出書類に、「3月の裁判所命令に従ってIBMがこれまでに提示したファイルは、IBMがLinuxにコードを不正流用した事実を示唆している」と記しているが、その「不正」の性質についての詳細はほとんど挙げていない。

 裁判所は3月、SCOに対しても、IBMが不正流用したとするコードがどれなのか特定せよというIBM側の要求に応えるよう命じている。

 だがSCOはこの作業に手間取っているようで、5月28日の書類は、知的財産権侵害部分を特定するためにSCOが取ってきたステップを列挙しつつも、次のように加えている。

 「しかしながら、これらの努力からは、IBM側の要求に応えるための情報はあまり得られていない。SCOは、IBMが歩んできた無数の修正、派生、改訂の紆余曲折の歴史をさかのぼろうと試みてきたが、この作業は、IBMに簡単にアクセスできる地図なしにはほぼ不可能だ」(裁判所提出書類)

 シカゴの法律事務所Kirkland & Ellisのパートナーで知的財産権に詳しいジェフ・ノーマン氏は、SCOが「IBMの不正行為」について、実際どれほどの証拠を握っているのか疑わしくなると指摘している。Linuxソースコードはオープンソースであり、SCOは既にそれにアクセスしているはずだ。

 「ここで問題になっているのはオープンソースのコードだ。IBMが権利を侵害したとするコードを特定せよというIBM側の要求に応えられないというのは、私にはちょっと理解し難いし、判事も理解できないと思う」(ノーマン氏)

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