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Solarisオープンソース化、SCOとの契約が足かせに?

» 2004年06月10日 08時48分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Sun Microsystemsのジョナサン・シュワルツCOOはSolarisのオープンソース化に踏み切る方針を表明したが、これに対して米SCO Groupが、ライセンス上の制約からSunはGPL(General Public Licence)には貢献できないと主張している。

 Solarisの基盤となっているUNIX System Vのソースコードは、現在SCOの所有となっている。

 ライセンス契約の具体的な内容は公表できないが、SunがSolarisのどの部分のオープンソース化を計画するにしても、UNIX System Vのライセンス契約を厳密に守ってくれると確信していると、SCOマーケティングマネジャー、マーク・モダーシズキ氏はくぎを刺す。

 「現時点でSunのSolarisオープンソース化計画ははっきりしていないが、SunはほかのどのUNIXライセンシーよりも広範な権利を持っている。それでもライセンス上の制約はあり、当社がライセンスを持つ作品をGPLに卸売りすることは認められていない」とモダーシズキ氏。

 Sunはまだ、どのライセンスの下でSolarisをオープンソース化するのかを明言していない。しかしシュワルツ氏は「間違いなく、当社はSolarisをオープンソース化する」と明言、IDG News Serviceの先月のインタビューでは「おそらくGPL(に基づき公開)するだろう。まだ検討中だが」と述べていた。

 AUUGプレジデントでFreeBSDデベロッパーのグレッグ・リー氏は、SCOの言い分に反論する根拠は思いつかないと語る。

 「SunがUNIXコードに関して独占的なライセンス契約を結んでいるのでない限り、このライセンス契約を変更しようとしても難しいだろう。興味深いのは、もしSunがSolarisのうち社内で開発した部分を公開したら、ライセンスしていたコードはどうなるのかという点だ」とリー氏。

 一方、SCOがIBMと争っている訴訟に関し、モダーシズキ氏は8日発表した声明で、審理の期日を来年9月に延期し、IBMから出された反訴をそれぞれ別々の案件として扱うよう申し立てた。

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