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業績好調のEMC、ILM戦略強化を打ち出す

» 2004年06月11日 11時34分 公開
[ITmedia]

 ストレージ大手の米EMCは、6月10日に開催した年次アナリストミーティングで、2004年の業績予測を上方修正するとともに、情報ライフサイクル管理(ILM)向けの製品開発・事業戦略の詳細を明らかにした。

 EMCは2004年の世界ILM市場が460億ドル以上になると見込み、この市場を狙う姿勢を明確に打ち出した。同社は自社のコアオープンソフト、買収したLegato、Documentumの事業を統合し、新たにEMC Software Groupを設立すると発表。ソフトライセンス収入とサービス収入を合わせ、2004年は同部門で約15億ドルの売り上げを見込む。

 さらに、VMwareが草分けとして知られる仮想インフラ技術に触れ、顧客が進めるILMやユーティリティコンピューティングなどのIT戦略で同技術が果たす役割について言及。このほか、ビジネスプロセスに基づいてストレージポリシーを作成・自動化する最新の高度なソフト機能をプレビューした。

 EMCの社長兼CEOであるジョー・トゥッチ氏は、「IT予算の伸びよりもはるかに早いペースで情報量が増えている。今ほどILMに適した時代はない」と述べた。

 同氏は2004年の見通しとして、売上高は前年比約30%増の約81億ドル、純利益は約8億5000万ドルになると見込んでいる。

 また同社は同日、ILM製品の幅を拡大する目的で、Advanced Digital Information Corporation(ADIC)と提携を結び、7月からADIC製テープライブラリ「Scalar」シリーズの再販に乗り出すことも発表している。一方のADICは、仮想テープソリューション「Pathlight VX」の一部として、同じく7月からEMCのネットワークストレージ「CLARiiONR CX」の再販に当たる。

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