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日立など、高性能な固体リチウムイオン充電池を開発

» 2004年06月29日 15時45分 公開
[ITmedia]

 日立製作所と日本油脂は6月29日、従来より高性能な固体リチウムイオン充電池を開発したと発表した。電解液を使わないため発火などの危険性がないのが特徴。低コスト化と高出力化を進め、実用化を目指す。

 固体電解質として、新開発したポリエチレングリコールホウ酸エステル化合物を採用した。これまで固体リチウムイオン充電池の電解質として利用を試みられてきたポリエチレンオキシド系ポリマーに対し、3倍以上のリチウムイオン伝導度を実証。モデル電池を試作して評価したところ、室温での動作を確認した。

 リチウムイオン充電池はモバイル機器や電気自動車など幅広い用途で利用されているが、電解液として有機溶媒を使うため、過熱による蒸発や過充電時の発火といった危険性がある。通常は安全装置を組み込んで使うが、より安全性を高めるため、固体のみで構成するタイプの開発が進められていた。

 従来のポリエチレンオキシド系ポリマーでは、陰イオンのイオン伝導が起こり、実効的なリチウムイオン伝導度が低いのが課題だった。

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