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» 2004年08月06日 17時27分 UPDATE

「赤ペン先生」もIT化 ベネッセが中学受験向けeラーニング

広がり続ける中学受験市場にeラーニングで参入。海外に住む小学生も取り込む。

[岡田有花,ITmedia]

 ベネッセコーポレーションは8月6日、中学受験向けのeラーニングシステム「ベネッセ e‐受験サービス」を9月からスタートし、eラーニングに本格参入する。教科書補完用の通信添削「進研ゼミ」で知られる同社。中学受験という新市場をITで切り開く。

 e‐受験サービスは、ブロードバンド環境とWebカメラ、ヘッドセットを利用したeラーニングシステム。(1)ビデオチャットとタブレットを利用し、講師と画面を共有しながら個別指導を受けられる「e−個別」、(2)受験校の過去問題を解いてFAX送信すると、添削結果を24時間以内に解説音声付きでWeb上にアップしてもらえる「e−ボイス添削」、(3)ビデオチャットによる保護者向け受験相談「e−カウンセラー」、(4)各科目の授業をストリーミング配信する「e−講義チャンネル」──の4種類から成る。

yu_benesse_01.jpg e‐個別の画面。扇形を回転させた時、中心が移動した距離を考える問題で、扇形が回転する様子をアニメで見せて理解を深める。青が生徒が書いた文字、赤が先生の文字

 生徒はまず、カウンセリングを受け、必要なサービスを割り出して時間割を組む。サービススタート後は定期的に小テストを行い、効果を確認しながら学習を続ける。

 価格は、個別指導1時間あたり4500円−1万5000円。サービス内容や講師のグレードによって変動する。

 まずは首都圏からサービスを開始。順次地方に広げる。

少子化でも中学受験業界は活況

 首都圏では特に、私立中学を受験する子どもが増えている。同社の調べによると、首都圏で中学受験した子どもは2000年には約4万人(全6年生の13%弱)だったのが、2004年には約4万8000人(同15.5%)に。「私立と公立のサービスの質が明らかに違い、公立校への不信感が募っているため」(教育研究開発本部 e‐受験サービス開発部の奈良隆志部長)私立人気が高まっているという。

 ネット環境さえあれば、世界中で利用可能な同サービス。国内中学の受験を考えている海外在住の小学生の取り込みも狙う。

 1時間4500円からという料金は、決して安くはない。しかし、「教材や授業に対する信頼さえ得られれば、親は金に糸目をつけない」と、昨年子どもを中学受験させたという奈良部長は言う。私立受験対策費用として親が支払えるのは、平均で年間110万円。進学塾と個別指導、添削指導を併用することも多い。

 eラーニングを取り入れたのは、「従来の通信添削だけではカバーしきれない、幅広い教育ニーズに対応するため」(森本昌義社長)。それぞれの生徒に合ったきめ細かな受験指導を行える体制を築き、少子化に対抗する。

yu_benesse_02.jpg 「消費者のニーズに応えるのは、どの業界でも同じ」とソニー出身の森本昌義社長

 また同社は、同サービスを通じてeラーニングの収益モデルを確立する目論見だ。採算ラインに乗り次第、他の学年の指導にもe‐ラーニングを取り入れたり、システムを学校や予備校向けに売り込む、といった横展開も考えている。

 生徒数の獲得目標は、今年度2000人、来年度5000人。今年度は1億8000万円、来年度は9億8000万円の売り上げを見込む。

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