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加熱すると外れるねじ、シャープが家電に採用へ

» 2004年08月30日 20時05分 公開
[ITmedia]

 シャープは8月30日、加熱すると締結部分が外れる「易解体(いかいたい)ネジ」をNECトーキンなどと共同開発し、2005年度上半期中にも液晶TVなど自社の家電製品に採用を進めると発表した。簡単にねじを外せるようになるため、リサイクル時の解体効率が高まり、再資源化率が向上できるという。

 易解体ネジは、形状記憶合金(チタンとニッケル半々)でできたワッシャと、金属製ねじを組み合わせた。約100度に熱するとワッシャの径が拡大し、容易に締結が外れるという。

 製品の解体時は、ベルトコンベアに加熱・冷却装置を取り付け、製品を流せば自動的に部品単位に分解する。廃家電の解体作業は人手による手間がかかる作業だが、この方法なら従来の約10分の1の時間で解体処理が可能という。また液晶パネルなど、手作業では傷つけずに取り出すことが難しい部品の分解も簡単になり、効率的に再資源化できるようになる。

 2005年度上期中をめどに通信機器や液晶TVなどの自社製品に採用する計画。形状記憶合金ワッシャの軽量化やコストダウンを進め、他社への採用も呼び掛ける。

 易解体ネジは、経済産業省と製造科学技術センターからの委託テーマとして、同社とNECトーキン、東海大学、ユニオン精密で共同開発した。

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