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MSのバルマーCEO、Linuxを集中攻撃

» 2004年09月02日 07時36分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは9月1日、ボストンでソフト業界幹部らを前に講演を行い、同社の輝かしい未来についての展望を語った。一方でWindowsの代替OS、特にLinuxについては疑問を投げかけている。

 Massachusetts Software Councilのメンバーに向けられた講演の中でバルマー氏は、今後10年の技術の進歩が約束するものは非常にエキサイティングだと力説。しかしビジョナリ的な発言はすぐに影を潜め、オープンソフト開発コミュニティ攻撃に出て、Linuxのようなオープンソース製品の採用は考え直した方がいいと参加者に促した。

 Longhornの機能切り詰めに関する最近のニュースについては、約束していた機能を減らしたことで、Microsoftは少なくともこの製品のリリース予定を発表することができたとバルマー氏は言い、これは「大きな進展」だと冗談混じりに語っている。

 このWindows次期バージョンに焦点を当てながらも、Microsoftは自社製品で、Linux、UNIX、XMLなどに対応した製品との互換性を強化することに努めているとバルマー氏。

 互換性を説く一方で同氏は、自社のOSがコンピューティングの「モノカルチャー」を作り出しているという見方を一蹴。企業のサーバとデスクトップでいずれLinuxがWindowsに取って代わるだろうと見る向きを批判した。

 Microsoftのプラットフォームは.NETといった自社のほかの技術との互換性が高く、WindowsはLinuxに比べて総保有コストが低く抑えられるとバルマー氏は強調。Linuxは無償ではあるが、インテグレーションとメンテナンスに相当の労力が必要なことがあると述べている。これを裏付けるものとして、MicrosoftのスポンサーでForrester Researchが行った調査、および同様のGartner調査を引き合いに出した。

 LinuxとWindowsを比較したコスト面での優位性についてはIT調査会社がさまざまな調査結果を発表しており、例えばIDCなどLinuxはWindowsよりもコストがかからないと結論付けているところもあれば、逆の結論を出しているところもある。

 セキュリティに関しても、バルマー氏はLinuxの方がWindowsよりセキュアだとの見方に反論、もしもLinuxがWindowsと同じくらいのシェアを握っていれば、Windowsと同じくらいの頻度で攻撃を受けるだろうと指摘した。

 さらに、SCO GroupがDaimlerChrysler、IBM、Novellを相手取って起こしているような訴訟に関し、(Linuxには)何も補償がないことも肝に銘じるべきだとバルマー氏。「私は恐怖、不安、疑念を撒き散らそうとしているわけではない。ただ、自分自身で調べてみてほしいと思っているだけだ」と語っている。

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