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検索広告めぐる商標侵害訴訟、GoogleとOvertureの却下申し立ては通らず

» 2004年09月04日 08時57分 公開
[IDG Japan]
IDG

 保険会社のGeicoが検索大手のGoogleとOverture Servicesを商標権侵害で訴えている訴訟で、バージニア州の連邦地裁が訴訟継続を認める決定を下した。

 この訴訟でGeico側は、GoogleとOvertureがGeicoの名称に関連付けた「スポンサー付きリンク」広告を販売しているのはGeicoの商標侵害に当たると主張。GoogleとOvertureは訴訟の却下を求めていたが、バージニア州東部地区連邦地裁のレオニー・ブリンケマ判事はこの却下申し立てを退けた。

 Geicoが商標を持っている名称に関連した権利をGoogleとOvertureが広告主に販売しているのは、Lanham Actと呼ばれる米連邦法の下で商標権侵害、不実記載、商標希釈に当たるとGeicoは訴えている。

 8月6日に開かれた口頭弁論でGoogleとOvertureは、Geicoの名称はスポンサー付きリンク表示を決める内部のコンピュータアルゴリズムでしか用いていないなどとして、商標権侵害の訴えは無効だと主張していた。

 ブリンケマ判事の裁定は8月25日に下されたが、これまで各社が公表していなかった。裁定書のコピーによれば、同判事はGoogleとOvertureの主張を一蹴、両社がスポンサー付きリンク用に広告用語を販売していることから、Geicoの商標を不正に利用した責任を問われる可能性はあると指摘している。

 広告用語の販売が実際にLanham Actまたはバージニアの州法に触れるかどうかについては判断せず、「事実認定が完了するまでこれに関する決定を出すことはできない」と述べている。

 この裁定では、Geicoがバージニア州法を根拠としていた別の2件の訴えは退けた。

 今回の裁定についてGeicoは、商標権侵害と不正競争の訴えが退けられなかったことを歓迎するとの談話を発表。Google、Overture 、Yahoo!にもコメントを求めたが返答はなかった。

 この訴訟に詳しい筋によれば、バージニア州東部地区連邦地裁は「国内で最も動きの速い連邦裁判所」という定評があり、Geico対検索エンジンの争いは迅速に進むかもしれない。Geicoは5月に提訴したばかりだが、今年末か来年初頭には審理が始まるかもしれないとこの筋は伝えている。

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