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半導体メモリエラーは宇宙から 日立、中性子評価システムを開発

» 2004年09月24日 16時30分 公開
[ITmedia]

 日立製作所の生産技術研究所は9月24日、半導体メモリにエラーを起こす原因としてクローズアップされてきた宇宙線中性子を評価するシステムを世界に先駆けて開発したと発表した。メモリエラーに及ぼす宇宙線中性子の影響を定量的に評価することが可能になる。

 太陽系外から来る宇宙線は、地球大気との核反応で1G電子ボルト以上のエネルギーを持つ中性子を発生させる。半導体プロセスルールの微細化に伴い、ソフトエラーを起こす原因として中性子は無視できないとの認識が高まりつつある。

 同研究所は内外の大学と協力、宇宙線中性子が通過した半導体デバイスに発生する影響をシミュレーションする技術を開発した。任意の中性子エネルギーと任意のデバイス構造について核破砕反応を計算する方式で、実験結果を平均誤差30%で再現できることを確認した。従来の測定値が機関によって数倍のオーダーで異なっていた。

 今後、宇宙線中性子によるソフトエラーの試験法について国際標準化を進めるとともに、影響評価を詳しく検討していく。

 系外宇宙線のエネルギーは莫大で、過去にはガンマ線バーストが地球を直撃、世界的な通信障害を引き起こしたこともある。

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