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MS、FAT特許で黒星、Smart Tag訴訟では陪審で勝訴

» 2004年10月01日 07時57分 公開
[IDG Japan]
IDG

 MicrosoftのFAT (file allocation table)ファイルシステムに関する特許が米特許商標庁で退けられ、同社は9月30日、これに対して争う構えを示した。一方、Officeソフトの将来にかかわる特許侵害訴訟で同社の疑いを晴らす陪審評決が出たことには歓迎の姿勢だ。

 米特許商標庁は、7年前にMicrosoftが取得したFATファイルシステム特許に関して再審査を行い、今月この特許認定を退けた。Microsoftは12月からこの特許のライセンス提供を始めたが、ニューヨークの小さな団体が、この技術は既にほかの特許でカバーされているとして異議を申し立てていた

 Public Patent Foundationは9月30日、特許商標庁への申し立てが認められ、5,579,517特許を無効とする決定が下ったことを明らかにした。「特許庁は単純に、われわれには以前から分かっていたこと、すなわち、MicrosoftのFAT特許は偽物だということを確認した」と、同組織のエグゼクティブディレクター、ダン・ラビィチェー氏は用意した談話で述べている。

 Microsoftがこの特許を取得したのは1996年11月だが、この対象となっているファイルシステムは1970年代から利用している。FATファイルシステムはコンピュータや、デジカメ、着脱式のストレージメディアなどに使われている。例えばLexar MediaはFAT技術をMicrosoftからライセンスして、自社のメモリーカードに使っている。

 Microsoftの広報によれば、現時点で特許商標庁の決定がライセンスプログラムに影響を及ぼすことはないと同社は見ている。同社はこの決定に対して異議を申し立てる構えで、いずれこの特許の有効性が認められるだろうと広報担当者。

 一方これとは別に、ロードアイランド州プロビデンスで2週間にわたって開かれていた陪審では、Microsoft勝利の結論を出している。MicrosoftのOffice Smart Tag機能は、ノルウェー企業Arendi Holdingsのアトリー・ヘッドロイ氏が2001年に取得した6,323,853特許を侵害していないとの陪審評決が下された。

 問題のSmart Tagは、Word文書で人物名が入力されると認識する機能。人物名が認識されるとSmart Tagアイコンを選び、オプションの中から選択してOutlookで新しい連絡先を作成、その相手に電子メールを送ったり、Outlookでアドレスを調べることができる。

 ヘッドロイ氏は2002年にMicrosoftを提訴した。この特許は「コンピュータ画面上のウィンドウまたはプログラムで機能アイテムをシングルクリック、あるいはプログラムのメニューから選択を行うと、住所と氏名や個人・会社関係情報が取得でき、ユーザーは同時に、例えばワープロなどほかのプログラムで作業ができる」手法に関するものとなっている。

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