産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、木材から水素を連続的に生産することに成功したと発表した。二酸化炭素を含まないクリーンガスの連続生産は世界初。連続処理にめどをつけたことで実用化の道が開け、水素自動車などによるクリーンな循環型社会の実現に近づくと期待している。
産総研の循環バイオマス研究ラボと、財団法人の石炭利用総合センターが共同で取り組んだ。木材などの炭素資源をガス化する際に二酸化炭素が発生するが、カルシウムを吸収剤として使うことでクリーンなガスを生産する技術を開発。さらに連続処理が可能な装置を開発したことで実用化に道筋を付けた。
生産したガスは水素濃度が83%。ドイツなどが取り組む技術では二酸化炭素を完全には吸収できないため、水素濃度は70−80%以下にとどまっていた。
実用化すれば、製材工場の隣りに木材片を活用した水素ステーションを置くといった使い方も可能。今後、安定化や長時間の運転、最適化などに取り組み、実用化にめどを付ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR