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アジア太平洋地域の技術企業ランキング、日本はライフサイエンスで健闘

» 2004年12月09日 18時26分 公開
[ITmedia]

 米Deloitte Touche Tohmatsuは12月9日、アジア太平洋地域のテクノロジー企業の成長率ランキング「第3回 アジア太平洋地域テクノロジー Fast500」を発表した。同ランキングは、アジア太平洋地域のテクノロジー業界(テクノロジー/メディア/テレコミュニケーション)を対象に、直近3決算期の売上高成長率から算出している。

 これによると、全500社中トップの企業は、オーストラリアの決済システムネットワーク開発会社「Bill Express Limited」で、売上高成長率は5万6303%だった。

 日本企業のランクイン最上位は、成長率1121%で20位のゲノム創薬支援会社「メディビック」。

 上位5社までは、オーストラリア、台湾、マレーシア、中国の企業が占め、その平均売上高成長率は1万5783%と、昨年の8441%に比べ大幅に上昇しており、同ランキングを初めてから3年連続のプラス成長となった。なお、今回ランクインした500社のうち、41%にあたる205社は未上場企業となる。

 今年度ランキングの特徴は、半導体/部品/電子機器関連分野企業の割合が昨年の14%から27%へ上昇し、このうち3分の2にあたる67%が韓国と台湾の企業であることだという。

 業種別では、昨年同様にソフトウェア企業が32%と最多で、このうちの60%が中国、インド、日本からのランクイン。とくに、ライフサイエンス分野では、日本企業が健闘しており、20位のメディビックを筆頭に同分野の約38%が日本企業だった。

 国別に見ると、韓国が受賞企業数最多の110社で、全体の22%を占める。中国企業はトップ10に3社ランクインし、中国と香港を合わせて90社が受賞、全体の18%。日本は中国に次いで80社が受賞し、全体の16%となった。

 また、同時に実施したランキング受賞企業CEOアンケートにおいて、「ビジネス上どのような問題に直面し、どう乗り越えようとしているか」をたずねたところ、22%が「人材の確保・育成」を最大の課題であると回答しており、この傾向は、日本、中国、台湾において顕著で、昨年より10%増だったという。このほか、82%の企業が2005年度に人員増を計画し、未上場のソフトウェア企業がとくに人員強化に注力していることがわかった。

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