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EU、バイオメトリクスビザ導入の方針転換

» 2005年01月08日 08時55分 公開
[IDG Japan]
IDG

 欧州連合(EU)は当初計画していたチップベースのビザシステムに技術的な問題が浮上したことから、米国式に、入国審査の際にバイオメトリクスデータをチェックするシステムを導入する公算が高まったもようだ。

 EUでは2003年以来、毎年発行する数百万のビザに、バイオメトリクスによる本人確認情報を組み込む計画に取り組んできた。当初このシステムでは、指紋情報と顔写真をビザのコンタクトレスチップに保存して、パスポートや旅行書類に添付できるようにするはずだった。

 しかし英国の人権団体StatewatchのWebサイトに1月5日掲載されたEUの内部文書によれば、別々のビザに組み込まれた複数のチップ間の干渉が原因で、このシステムは機能しない可能性があることが分かったという。

 大部分の国では代替策として、チップではなく中央化されたビザ情報センターにバイオメトリクスデータを保存する方法を支持していると報告されている。

 Statewatchのエディター、トニー・ブンヤン氏によれば、これはビザが有効かどうかのみをチェックする迅速なシステムではなく、米国式に入国の時点で個人のバイオメトリクスデータを長々とチェックするシステムがEUで導入される公算が高まったことを意味するという。

 欧州委員会は7日、EU加盟国に毎年提出される何百万件ものビザ申請に関連した全情報を集中保存するための、中央化されたビザ情報システムを構築する計画を発表した。

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