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SBC、AT&Tを160億ドルで買収、新社名は「AT&T」に

» 2005年01月31日 18時38分 公開
[ITmedia]

 米SBC Communicationsは1月31日、AT&Tの買収で合意したと発表した。買収金額は160億ドルに上る。買収の噂は1月27日に米国で報道されたが、その予想を裏付ける結果となった。

 AT&Tは全米のIPベースのネットワークに強く、SBCは地域ネットワーク、ブロードバンド、そしてCingularに代表されるワイヤレスに強いということで、補完的な合併になると両社は発表している。新会社はこれによりIPソリューション、サービスへのユーザー移行を加速できると話している。

 買収はAT&Tの株主と規制当局の承認を得る必要があり、2006年前半に手続きが完了する見込み。

 SBCのエドワード・E・ウィテカー・ジュニア会長兼CEOは「本日の発表は21世紀におけるアメリカの通信革命をリードしていく会社を創り上げるという当社の取り組みにとって、大きな一歩となる」と発表文の中で述べ、両社の組み合わせは「素晴らしいコンビネーション」と自画自賛した。

 SBCは地域電話網に強く、5200万回線を持ち、DSLブロードバンドサービスは510万世帯に提供している。地域カバー率は77%。既にAT&T Wireless吸収を発表したCingular WirelessもSBCが所有する会社で、4900万人の加入者を有する。一方、AT&TはFortune 500などの大手企業や海外ネットワークに強い。

 ウィテカー氏は会長、CEO職を継続し、AT&Tのデビッド・W・ドーマン会長兼CEOは社長に就任する。本社はSBCの本拠地であるサンアントニオに置かれる。

 会社名についてウィテカー氏は「われわれはAT&Tブランドの歴史と強さを高く評価しており、AT&Tは全世界で最も広く認知され尊敬されている名前でもある。新会社の未来にふさわしい名前と言えるだろう」と、AT&Tを冠する意向を明らかにした。

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