アフィリエイト市場を広げるアクティブ個人
「“古い手段”であるアフィリエイトが、注目を浴び始めている」――リンクシェア・ジャパンの花崎茂晴社長によると、アフィリエイト市場は拡大中。売り上げの3分の1がアフィリエイト経由というショップもあり、一度利用した企業が効果を実感して予算を積み増すケースが多いという。
市場拡大の主役は、Blogなどで自ら情報を発信しながらアフィリエイトに参加する個人サイト運営者(個人アフィリエイター)と、企業が発信する情報だけでは満足できず、積極的に複数のサイトで情報を集めるネットユーザー。自己表現や情報収集にと、ネットを使いこなすアクティブなユーザーに上手くはまった形だ。
アフィリエイトは、提携ECサイトの広告リンクを、アフィリエイターサイトに掲載してもらい、そのリンク経由で商品が売れた場合に提携サイトから手数料を得る仕組み。手数料は、アフィリエイターと、リンクシェアなどシステム提供企業とで折半する。
アフィリエイトは、米Amazon.comや米Linkshareが1996年に特許を出願しており、アイデアとしては新しくないが、ここ数年で人気が高まった。企業のアフィリエイト利用額は伸びており、「上新電機はネットショップの売り上げの35%がアフィリエイト。報道によると、楽天も売り上げの30%がアフィリエイト経由」(花崎社長)。
ブロードバンドやECが普及し、ネットショッピングが気軽にできるようになった上、Blogなどで個人も簡単にアフィリエイターになれるなど条件がそろった。加えて、企業のWebサイトの情報だけで満足できず、複数サイトの情報を比較検討するユーザーが増えたことが、市場拡大を後押しする。
ネットショップで商品を購入する前に、関連サイトを複数巡回するユーザーは多い。米国の調査によると、購入決定前に訪問するサイト数は平均4.1。購入を決めたサイトも2.7回訪問して熟慮するという。ユーザーにとって、第3者が運営するアフィリエイトサイトの情報は貴重な参考意見。購入決定に与える影響は大きい。
アフィリエイトサイトは企業にとって、「検索サービス陣取り合戦のパートナー」(花崎社長)でもある。検索エンジン最適化(SEO)に力を入れ、検索結果上位に表示されるアフィリエイトサイトは多い。Googleの上位検索結果のクリック率は20~25%。Googleのテキスト広告クリック率(2~2.5%)の約10倍で、効率のいい広告媒体になりうる。
アフィリエイトを提携プラットフォームに
企業のアフィリエイトの利用形態は多様だ。手数料を支払って自社の製品を告知してもらうだけでなく、自社サイト内にアフィリエイトリンクを集めて手数料収入を得たり、異業種との提携のきっかけに利用することもある。
ソニーマーケティングは、自社のECサイト「ソニースタイル」内に、楽天やAmazon.co.jpなどのアフィリエイトリンクを集めた「ショッピング・パレット」を運営する。アフィリエイト経由で商品が売れれば、ソニースタイルのクーポンでポイント還元が受けられる仕組みだ。2月21日からは、電子マネー「Edy」でもポイントを還元する。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)と、切り花などを販売するECサイト「e87.com」は、アフィリエイトで提携したのをきっかけに関係を深めた。USJのチケットと花をセットにした商品を共同開発し、Webサイト上で販売するなど提携を進めている。
花崎社長によると、今後、携帯電話やデジタルTV、紙媒体にもアフィリエイトが拡大する可能性があるという。紙媒体なら、ECサイトのQRコードを掲載すれば、アフィリエイトの仕組みを取り入れられる。「アフィリエイトはネットの“共通提携プラットフォーム”になる可能性もある」(花崎社長)。
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