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ネット広告費がラジオを上回る――電通

» 2005年02月18日 16時41分 公開
[ITmedia]

 電通がこのほど公表した2004年の国内広告市場調査結果によると、インターネット広告費が初めてラジオ広告費を上回った。企業が総合メディア展開の一環としてネット広告を位置付ける流れが加速し、一般消費財メーカーのキャンペーンなどにも利用されるケースが増えているという。

 2004年の国内総広告費は、前年比3.0%増の5兆8571億円。2001年以降、総広告費は減少傾向だったが、2003年の後半になってブロードバンドやデジタル家電広告がけん引して増加に転じ、2004年は通年で前年実績を上回り、4年ぶりの増加となった。

 マスコミ4媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)では、テレビが2兆436億円(同4.9%増)と2年連続増。新聞も同0.6%増とわずかながら4年ぶりに増加に転じた。一方で雑誌(同1.6%減)とラジオ(同0.7%)はマイナスだった。

 インターネット広告費は1814億円(うちモバイルは180億円)で、同53.3%増の大きな伸びを見せ、総額で初めてラジオを上回った。

 ネットへの接触時間がテレビ以外のメディアでトップになるなど、ユーザーのメディアへの接触状況は変化してきている。大手広告主は従来メディアと連動した形でネットを活用しており、従来多かった耐久消費財メーカーだけでなく、食品・飲料など一般消費財メーカーの販促キャンペーンにも利用されるケースが増えてきた。ブロードバンドの一般化で大容量広告の販売が増えていることも売り上げを加速させている。

 2005年の総広告費は、2004年比1.4%増の5兆9379億円と予測。マスコミ4媒体向けは同0.3%増にとどまるが、それ以外はネット広告の拡大で同3.2%増とした。

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