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AMD、「今年はDDR2に移行しない」

» 2005年03月14日 11時18分 公開
[IDG Japan]
IDG

 PC業界は今年後半にもDDR2メモリへの移行を始める見込みだが、米AMDは年内に現行プロセッサでDDR2をサポートする計画はない。独ハノーバーで開催中のCeBITでAMDが11日に明らかにした。

 DDR2は、現在のPCメモリ標準であるDDR SDRAMの後継と目される技術。DDR2チップの処理速度はDDRメモリチップよりも高いが、PC業界内では今でもDDRメモリチップを採用しているところがほとんどだ。

 DDR2対応のプロセッサとチップセットは昨年6月に米Intelが提供開始しているが、これまでPCメーカー各社はシステムに追加コストがかかることから、DDR2技術のサポートに消極的でいた。だが今年はそのコストに変化がありそうだ。

 今年1月、メモリ市場でシェア首位の韓国Samsung Electronicsが、今年後半にメモリチップ製造の大部分をDDR2標準に対応させると語った。同業のMicron TechnologyとInfineon TechnologiesもDDR2製造を増やす計画だ。メモリメーカーが増産を決定すると、供給が増えるため価格は下落する。

 このように価格の下落が予想されるにもかかわらず、年内のDDR2サポートはAMDにとって意味をなさないと、AMDコンピューテション製品部門のマイクロプロセッサ事業担当事業開発マネージャー、ジョン・クランク氏は語った。

 AMDの「Athlon 64」および「Opteron」プロセッサで採用されているメモリコントローラは、メモリを大量に使うアプリケーションの性能を著しく引き上げるが、その設計はシングルメモリ標準をサポートしなくてはならない。一方、Intelプロセッサではメモリプロセッサインタフェースの複雑な処理はチップセット内で実行されるため、新たなメモリ標準に対応させる作業はプロセッサを設計し直すよりも容易かつ安く済む。

 AMDはデュアルコアのデスクトップ・サーバプロセッサの年内リリースを見込んでおり、これらプロセッサでDDR2をサポートすることもできた。しかし667MHz版DDR2チップのコストが現行の400MHz版DDRチップと同程度に下がるまで、AMDにとってDDR2サポートは必要でないとクランク氏は強調した。

 同氏によれば、AMDの統合メモリコントローラ設計はレイテンシ(チップ上で信号がある点から別の点へ移動する際に発生する遅延)により敏感に反応するという。DDR2チップ第一弾となる400MHz版と533MHz版では、DDR2メモリに関連するレイテンシの拡大をカバーするのに十分な速度を発揮できないとクランク氏。実際、社内テストでは、400MHzおよび533MHz版DDR2チップを搭載したAMDシステムの処理速度は400MHz版DDRチップ搭載システムより遅かったという。

 AMDは、667MHz版DDR2チップが出回る頃にDDR2の採用準備を整えるだろうとクランク氏は語った。その時期は2006年になるはずだ。

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