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EU、電力線ネット推進目指し規制撤廃を勧告

» 2005年04月09日 07時58分 公開
[IDG Japan]
IDG

 欧州連合(EU)の通信規制当局である欧州委員会は4月8日、電力製経由のブロードバンドインターネット普及促進に向けイニシアチブを執った。

 欧州委員会は各国の通信/公益事業規制当局に対し、電灯線ブロードバンド通信市場公開を目指し、「正当な理由のない規制による障壁」、特に公益企業による障壁をすべて取り除くよう勧告を行った。

 これにより、新規のブロードバンド接続提供企業が、一般の家庭と通信ネットワークを結ぶ電話加入回線の保有企業との間で競争できるようになると同委員会は指摘。これによってEU加盟25カ国のブロードバンド普及率は5〜10%伸び、消費者のための投資と低価格化が促進されると広報官は説明する。家庭、学校、企業に直接つながっている電力線はEU域内で2億に上り、この事業が秘める可能性は膨大だと広報官。

 欧州委員会では各国の当局に障壁撤廃に取り組んでもらいたい意向だが、ラジオ電波の干渉を懸念する声もある。

 電力線通信(PLC)技術に対しては、システムが干渉を引き起こすという反対意見もある。しかし8日に開かれた各国の規制当局者の会合では、干渉にまつわる不安について、公益企業が自社の伝送ネットワークをブロードバンドサービス提供企業に解放するのを拒む十分な理由とは言えないとの意見で一致した。この技術は初期の頃に比べて問題がはるかに少なくなっており、残る問題も比較的容易に克服できると欧州委員会は論じている。

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