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» 2005年05月11日 17時00分 UPDATE

超小型HMDで“どこでも眼鏡テレビっ子”

500円玉大で5グラムのヘッドマウントディスプレイ(HMD)が登場。眼鏡に吸盤でくっつければ、どこでも映像鑑賞できる。

[岡田有花,ITmedia]

 眼鏡にくっつける超小型の片眼式ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Tele-glass」が登場した。サイズは500円玉大(高さ17×幅27×奥行き21ミリ)で重さは約5グラム。外出先でも周囲からディスプレイをのぞき込まれることなく、お気に入りの映像を鑑賞できるのが売りだ。ECサイト「NIPPON STYLE」で6万3000円(税込み)、100台限定で予約を受け付けており、出荷は5月末か6月頭ごろから。

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 ディスプレイ部の解像度は800×225ピクセル。28インチ相当のディスプレイが2メートル先に浮かんでいる感覚を味わえるという。プロトタイプで映画を見てみたが、字幕までくっきりと読め、慣れると映像に没頭できる。

 吸盤と磁石を使ってめがねにくっつける仕組み。フレームやレンズの厚さにかかわらず、どんな眼鏡でも使える。眼鏡をかけていない人向けに、製品にはサングラスも同梱する。

yu_hmd_03.jpg 接着用パーツの吸盤部を眼鏡にくっつける(左)。吸盤の反対側には磁石を装備。ディスプレイ部とは磁石で接続する

 ディスプレイは、本体(高さ91×幅62×奥行き20ミリ、単3形乾電池×2で駆動)に接続されている。本体はAV端子と音声端子を備え、携帯型DVDプレーヤーや携帯電話、DVカメラなど、映像出力端子を持つ携帯機器に接続できる。映像コントラストや音声のボリューム調節も本体から可能だ。

yu_hmd_04.jpg 本体(手前右)とAVケーブル、ヘッドフォンを同梱する。DVDプレーヤーは別売り

 企画・販売するのは、PC用のお肌チェックスコープや、業務用顕微鏡の開発で知られるスカラ。製造は有沢製作所が担当する。

 両社は昨年、Tele-glassのプロトタイプを「NIPPON STYLE」で1台、試験販売した。1台とはいえ各方面でウケたため、製品版の開発に踏み切った。同サイトで100台限定販売してユーザーからのフィードバックを集め、秋から量産に入る計画だ。

 限定販売時の価格は、送料・手数料別で6万3000円と安くはないが、4月27日の受注スタート以来、特に宣伝もしていないにもかかわらず30台ほど予約があったという。好調な滑り出しに見えるが、スカラ営業部 商品企画担当の鈴木猛さんは「市場で受け入れられるかどうかは分からない」と慎重だ。

HMDは売れない?

 「HMDは、多くの企業が参入した分野だが、うまくいった会社はほとんどない」――例えばソニーは「グラストロン」シリーズ、オリンパスは「Eye-Trek」シリーズを発売したが、ヒットには至らなかった。Tele-glassは、ソニーやオリンパスとは違った利用シーンを想定。慎重なマーケティングを行いつつ、新市場を立ち上げる戦略だ。

yu_hmd_05.jpg ソニーの「グラストロン PLM-50」(左、1996年発売)とオリンパスの「Eye-Trek FMD-220」(2001年発売)

 「ソニーやオリンパスのHMDは、両目を覆うゴーグル型。あくまで私見だが、小さい部屋で大画面を疑似体験するのが目的だったと思う。Tele-glassは、通勤電車など外出先で使ってもらう目的。携帯電話が普及し、外出先で画像を見る文化が定着して始めており、Tele-glassを受け入れる土壌が整ってきた」

 動画再生できる携帯電話やポータブルDVDプレーヤーなど、携帯型の映像再生機器も普及し始めている。しかし「映像プレーヤーを電車や飛行機の中で使っている人はほとんど見たことがない」と鈴木さんは言う。「近くの人に画面を見られることに抵抗がある人が多いからだろう。Tele-glassなら、周りの人には何を見ているか分からない。携帯音楽プレーヤー感覚で使ってもらいたい」。

 大手企業も立ち上げに失敗してきたHMD市場にあえて切り込む同社。まずは限定したユーザーに使ってもらい、専用Webサイトなどに使い方や改善して欲しい点などの意見を集めて改良点を検討。その後、量産に踏み切る計画だ。

yu_hmd_06.jpg たのみこむ」でTele-glassの利用法を募集している

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