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» 2005年05月18日 22時20分 UPDATE

「鳥山明風コマ割り」が瞬時に――アイデア勝負の未踏ソフト

コマ割りに悩む同人さんに朗報だ。有名作家風のコマ割りや構図を提案してくれるソフトが、「IPAX 2005」で発表されている。

[岡田有花,ITmedia]

 独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)が研究成果を展示するイベント「IPAX 2005」が5月18日、東京ビッグサイトで開幕した。新発想の漫画製作支援ソフトや料理支援ソフトなど、ユニークな試みが展示されている。

yu_ipax_01.jpg 自動的に漫画のコマ割りをしてくれる「POM」が提示するコマ割り・構図例

 「コマ割りをどうすればいいか分からない、構図がマンネリ化してきた」――そんな同人さんを救うのが、小林由佳さんが開発した漫画設計支援システム「POM」だ。

 「鳥山明」「富樫義博」「CLAMP」「矢沢あい」など、コマ割りを真似したい作家をメニューから選べば、選んだ作家風のコマ割りと構図候補を表示する。コマの割り方はストーリーの起承転結に従って変化し、例えばスタート時の「起」は落ち着いた感じに、「転」ならダイナミックに、といった具合だ。起承転結のページ配分は自分の作品に合わせてカスタマイズ可能。構図も複数パターンから選べる。

 小林さんは、21作家・計1万2113ページ分の漫画をアルバイトの協力を得て調査し、作家やジャンルごとの特徴を抽出。「大御所系漫画は落ち着いたコマ割り」「少年漫画はメリハリがある」「少女漫画は構図・コマ割りともに独特の効果が多い」といった特徴を見つけ出した。

yu_ipax_02.jpg 選べる少年漫画家一覧。「漫画家さんは私の趣味で選びました」(小林さん)

 プロの漫画家を目指しているという小林さん。漫画を描き始めた頃、「真っ白な紙にコマ割りするは難しい」と苦労した体験が、POMの開発につながった。「今となっては、ソフトなしでコマ割りできるようになっちゃいましたが」(小林さん)。学会発表も、漫画を駆使して行ったという。

yu_ipax_04.jpg 学会発表に使った漫画の一部

 北海道・函館工業高専の卒業製作として開発した。今春、半導体装置製造会社・メデック(函館市)に就職したが、今も開発は続けており、「会社も支援してくれている」(小林さん)。製品化は未定だが、「もしかしたらメデックから出るかもしれない」(小林さん)。

 POMは、IPAの2004年度未踏ソフトウェア創造事業の未踏ユース部門に採択された。POMを評価した竹内郁雄電気通信大学教授は「漫画の設計図にあたる『ネーム』を作成することが最後の作画作業の何倍も手間がかかり、それをサポートするソフトウェアが現状で皆無というのには驚いた。まさに『未踏』にふさわしい」としている。

「みんなで料理してもケンカにならない」ソフト

 「大学では映像処理を研究していたのに、家に帰ると紙のレシピとにらめっこしながら料理していた。これは変だなと思って」――クッキングナビゲーションシステム「Happy Cooking」を開発した、東京大学情報工学系研究科の浜田玲子特任助手はこう話す。浜田さんはこの研究で、女性初の天才プログラマー/スーパークリエーターに認定された。

yu_ipax_03.jpg

 料理のレシピと、手順を教える映像を組み合わせたソフト。1ステップごとに対応した料理映像が自動で再生され、映像を見ながら料理できる。

 キッチンの環境に合わせて手順を最適化してくれるのが特徴。同時に作る料理名や、作業人数、作業台、まな板の数などを入力すれば、最適・最短の手順を導いてくれ、「初心者でも手順を間違わずに複数の料理を作れる。何人かで一緒に料理してもケンカしなくて済む」(浜田さん)。

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