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液晶ガラス基板にDRAM集積 NECが世界初

» 2005年06月09日 19時37分 公開
[ITmedia]

 NECとNEC液晶テクノロジーは6月9日、液晶ディスプレイのガラス基板上にDRAMを集積化した「システムオングラスDRAM」(SOG-DRAM)に世界で初めて成功したと発表した。携帯機器向け液晶モジュールの小型化・低コスト化につなげる。

 176×240ピクセル品を想定し、画像フレームメモリとして510KビットDRAMをガラス基板上に集積することに成功した。メモリ容量を12ビット/画素に低減しつつ18ビットカラー表示が可能な画像コーデックなども開発した。

 画像フレームメモリは“画像のキャッシュメモリ”。携帯電話の待受時といった静止画表示の際、メモリに信号を保存しておくことで、画像信号をいちいち受け取らずに済ませて省電力化する。

 フレームメモリには一般にSRAMが使われているが、ガラス基板上にSRAMを形成すると回路面積が大きくなり、ディスプレイの額縁内に収めることが難しい。このためシステムオングラスで液晶ドライバを集積しても、フレームメモリ内蔵型ドライバを別に実装する必要があり、小型化に限界があった。

 NECは、フレームメモリをガラス基板上に形成できたことで、こうした課題を克服できると見ている。SOG-DRAM技術の研究開発を進め、携帯機器向け液晶の性能向上を図っていく。

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