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個人投資家“1年生”が3割弱

» 2005年07月12日 20時53分 公開
[ITmedia]

 ネット証券評議会は7月12日、「2005年個人投資家大アンケート」の結果を発表した。個人投資家の投資環境改善の参考とする目的で行われたもので、10代から70代以上の個人投資家(株式投資未経験者を含む)1万3969人から回答を得た。

 これによると、現在株式投資を行っているのは96.2%。現在行っている株式投資の種類は、「現物株式」が94.4%と、ほぼすべての投資家が利用している結果になった。次いで「投資信託」(31.9%)、「信用取引」(24.2%)「新規公開株」「外貨預金」が2〜3割の利用率となる。今後行いたい投資としては、「現物株式」に次いで「新規公開株」49%、「信用取引」43%、「中国株」33%への意向が高かった。

 また、現在投資を行っていない人の理由(複数回答)としては、「銘柄の選び方がわからない」「損をしそうで怖い」「取引の始め方がわからない」など情報不足による理由が目立つ一方で「資金が不足している」という回答も4割弱いた

 株式投資キャリアは、5年未満が7割弱を占め、1年未満の初心者は29.4%と3割近くに上る。逆に10年以上の長期経験者は2割弱にとどまった。平均は4.21年。投資の目的は「資産形成」が87%と最多で、「趣味・勉強のため」「株主優待」がいずれも5割弱(複数回答)。

グラフ あなたは株式投資をはじめてどのくらいになりますか

 投資期間については、3カ月以内の短期投資が5割を超えているが、デイトレード(日計り)は5.7%と少ない。また、金融資産額が大きいほど投資期間が長期にわたる傾向がみられた。投資資産額は、500万円以下が6割だが、1000万円以上も2割に上る。

グラフ あなたの投資期間についてもっともあてはまるものは?
グラフ 投資商品(ひとつだけ)の合計額は?

 利用証券会社は、「ネット証券のみ」が82.5%と多くを占めた。「対面証券のみ」は全体の1%と少なく、年齢が上がるにつれ、ネットと対面両方の証券会社を併用する人が増える傾向にある。証券会社の選択基準(複数選択)は、91.3%とほとんどの人が「手数料の安さ」を挙げており、次いで「Web画面の使い勝手のよさ」(48.1%)、「情報提供の多様性」(33.2%)、「取引システムの安定性」(30.2%)と続く。

 ネット証券に希望するのは「コストの低減」が8割、「利便性の向上「システムの安定性の向上」が6割を超え、今後利用したい商品は「高利回りの商品」が多かった。

 株式投資の夜間取引への賛否は「賛成」が81.8%と8割を超え、追加希望する立会時間帯(複数回答)は、「21時〜24時」がもっと多く57.6%、次いで「18時〜21時」39.0%。現在の証券税制には「不満」が75.8%で4人に3人は満足しておらず、その理由は「税率が高い」が76.0%と圧倒的だ。

 同調査は、2005年4月21日〜5月17日にWebおよびマネー雑誌掲載による回答選択式で行われ、回答者の男女比は男性 84.4%、女性 15.6%。年齢は10代〜70代以上まで幅広く、ボリュームゾーンは30〜40代で6割弱に上る。職業は会社員が55.3%と過半数で、自営業10.8%、公務員8.0%。専業主婦は6%、退職(年金生活者)は3%だった。

 ネット証券評議会は、松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券により、株式市場の活性化や、ネット取引の透明性向上を目指し、個人投資家にとって有益な情報の提供や様々な提案を行う目的で設立された。

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