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eBay、Skype買収を正式発表。オークションにSkype通信統合へ

» 2005年09月13日 05時21分 公開
[ITmedia]

 米eBayは9月12日、グローバルインターネット通信企業のSkype Technologies(本社ルクセンブルク)を買収することで合意したと正式発表した。買収は26億ドル相当の現金とeBay株式で行われ、業績に応じて2008年か2009年に最大15億ドルを追加で支払う。10〜12月期中に合併完了の見通し。

 今回の買収によってeBayはグローバルマーケットプレイスと決済基盤を強化できるとともに、新規事業に進出して新たな収益源を開拓するチャンスが開けると説明。Skypeはインターネットの音声通信における主導的地位を一層強化できるとしている。

 eBayのメグ・ウィットマン社長兼CEOは「コミュニケーションは電子商取引とコミュニティの中心にある。eBayとPayPalという電子商取引を主導する2社と、インターネット音声通信の筆頭企業が合併することで、ネットビジネスのための極めてパワフルな環境が創出される」との談話を発表した。

 Skypeは、P2Pソフト「Kazaa」の共同開発者として知られるニコラス・センストロム氏(現CEO)とヤヌス・フリス氏(現戦略上級副社長)が共同創設した企業。センストロム氏は「Skypeでは常に、世界最大のコミュニケーションビジネスを構築し、インターネットを通じたコミュニケーションの簡便さに革命を起こす構想を描いてきた。この構想を実現してインターネットの声となるのにeBayとPayPal以上に優れたプラットフォームは考えられない」とコメントしている。

 合併後もセンストロム氏とフリス氏は現職にとどまり、センストロム氏はウィットマン氏の直属としてeBayの上級経営陣に加わる。

 eBayではSkypeをオークションに組み込んで、売り手と買い手のコミュニケーション強化を図る方針。これにより、特に中古車、産業機器、コレクターズアイテムといった売り手と買い手の間で頻繁なやり取りが必要になる分野で、取引の迅速化が図れるとしている。

 新規事業としては、eBayの現在の取引ベースの料金収入に加え、Skypeを通じて通話件数ベースの料金収入につなげられる可能性があると説明。また、PayPalウォレットをSkypeアカウントと関連付ければユーザーがSkypeの有料サービス料金を簡単に支払えるようになるほか、日本などeBayの存在が確立されていない国でも、Skypeを通じてeBayとPayPalのことを知ってもらえるとしている。

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