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Treoのリコール求め、Palmに訴訟

» 2005年09月22日 11時37分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Palmの携帯電話・PDA一体型デバイス「Treo 600」「同650」のオーナー3人が、これらデバイスには本質的に欠陥があるとして訴訟を起こし、販売の差し止めを求めている。

 原告のマリオ・パルザ氏、チャールズ・ボーレイス氏、ニサ・ゲイ氏は、自分たちのTreo 600と650に、電話の音質やソフトの安定性など多数の問題があると主張している。彼らは9月16日にサンタクララ郡のカリフォルニア州地裁に訴状を提出、損害賠償とリコールを要求している。

 訴状によると、原告は、Treo 600で電話をかけると、スピーカーの音質が悪く、音がとぎれるため、相手の話が分からないと申し立てている。ゲイ氏は、Treo 650のソフトの問題を挙げ、1日に10回クラッシュしたと訴えている。

 これらの問題は多数のTreoオーナーを苦しめており、その原因はTreoを販売している携帯キャリアではなくPalmにあると原告らは考えていると、Rothken Law Firmの弁護士で主任弁護士の1人、イラ・ロスケン氏は21日の取材で語った。原告はそれぞれPalmのカスタマーサポートを通じて問題を解決しようとしたが、Palmは同じ欠陥のあるモデルに交換しようとしたと彼らは主張している。

 Palmの広報部にこの訴訟に関するコメントを求めたが、回答はなかった。

 Palmは実質的にTreoに関する事業を再編した。携帯電話がより高度になって、Palm Pilotを有名にした基本的なアドレス帳や予定表ソフトを扱えるようになるに伴い、従来型PDAの売上は急落した。

 しかし、ユーザーはPDAの処理能力と携帯電話機能を併せ持つデバイスに引かれ、TreoやHewlett-Packard(HP)の「iPAQ h6300」、Research In Motion(RIM)の「BlackBerry 7100」などのデバイスの出荷台数は拡大している。

 Palmは6〜8月期に約48万台のTreoを出荷したとGartnerの主席アナリスト、トッド・コート氏は予測している。そのうち約90%は、昨年10月に発表されたTreo 650だ。Treo 600は2003年にHandspring(後にPalmに買収された)からデビューした。

 コンピュータハードの問題を経験しないメーカーはないが、Treoは登場から数年の間、Palmと携帯キャリアにとって成功している製品だとコート氏。もしTreoの問題が原告が主張するように広範なものだったら、T-Mobile USAが今年HPのh6315を回収したように、携帯キャリアは顧客からの苦情を受けて店頭から同デバイスを回収していただろうと同氏は指摘する。

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