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» 2005年09月26日 10時02分 UPDATE

「無料でも利益拡大」――Opera、2日で100万DL

Webブラウザ「Opera」が、無料化後2日で100万ダウンロードを突破した。無料でも成り立つビジネスモデルを構築。好調な携帯向けOperaが経営を下支えする。

[岡田有花,ITmedia]

 Webブラウザ「Opera」無料版から9月20日、広告が消え、実質完全無料化した。Firefoxの隆盛で再燃するブラウザ戦争に無料という強力な武器を持ち込み、シェアを一気に伸ばす目論見だ。

 広告や有料ライセンスからの収入がなくなる分は、Googleなど提携検索エンジンからのアフィリエイト収入でカバー。携帯電話など組み込み向けOperaの開発も強化し、ビジネスを広げる。

photo バナー広告入りOpera(上)と、無料化後、広告を撤去したOpera

「広告がシェア拡大のボトルネックだった」

 Internet Explorerがセキュリティ不安などで人気を落とし、FirefoxやNetscapeなど代替ブラウザがシェアを伸ばしている。NetApplicationsによると、8月時点のシェアはFirefoxが8.27%、Netscapeが2.02%。Operaも徐々にシェアを広げてきたものの、0.62%に過ぎない。

 「広告がシェア拡大のボトルネックだった」とOpera Software東京オフィスの冨田龍起代表は話す。Operaは動作の高速性やセキュリティ対応の速さに定評があり、機能面でも他ブラウザに劣らないが、「無料版は広告が入るから」と敬遠するユーザーは少なくない。シェア拡大への施策として、広告を撤去し、完全無料化することはかなり前から検討していたという。

 このタイミングで無料化に踏み切った理由は2つある。(1)携帯電話など組み込み向けOperaが好調に伸び、同社の売り上げの7割を占めるに至ったこと、(2)最大のパートナーである米Googleと「ユーザーが増えるほどお互いの収益が伸びていく可能性の高い」新契約を締結したこと――だ。

 組み込み向けOperaは、2000年にフィンランドNokiaの携帯電話に搭載されて以来、日本を含む各国の携帯機器に採用され、ライセンス収入が伸びてきた。PC向けである程度リスクを冒しても、組み込み向けの着実な収益でカバーできる状況になった。

 残りの3割のPC向けOperaからの収入のうち、55%が有料ライセンス分、残りがGoogleやAmazon、Infoseekなどにユーザーを誘導した時のアフィリエイト収入や広告収入だった。無料化によってライセンス・広告収入がなくなる分は、Googleとの提携強化などによるアフィリエイト収入の拡大でカバーする。「トータルの利益は無料化前より上がるのではないか」

 無料化発表から2日間のダウンロード総数は100万以上。同社のヨン・フォン・テッツナーCEOが「100万ダウンロードを達成したら大西洋を泳いで横断する」と宣言した「Opera 8」リリース時の2倍のスピードで伸びている。「全力でユーザーを勝ち取っていく。最終的にはブラウザシェア2位、30%をとりたい」

東京オフィスでケータイ向け注力

 Operaは6月に東京オフィスを設立。携帯電話向けを中心にした組み込み版Operaの国内での採用拡大を狙う。

photo 東京オフィスの冨田龍起代表(29)は学生時代にOperaと出会い、そのままノルウェーOpera Softwareに就職したという

 国内の携帯電話向けフルブラウザは「jigブラウザ」「Scope」のように、ユーザーがダウンロードするアプリケーションタイプのものも多いが、Opera携帯版はプリインストールが中心。現在、ウィルコム「AH-K3001V」(京セラ)、au「W21CA」(カシオ計算機)、NTTドコモ「M1000」(モトローラ)にプリインストールされている。

 ワールドワイドではダウンロードアプリの「Opera mini」も提供しているが、携帯が高性能な日本国内ではプリインストール型をメインに展開する方針。Java Scriptなど高度なWebアプリも問題なく動作する環境を、各携帯のスペックに合わせて提供したい考えだ。

 携帯以外の機器にも組み込みOperaを積極的に売り込む。「年内には、携帯でもPDAでもない機器へのOpera採用を発表できると思う」

コミュニティー強化でシェア拡大へ

 東京オフィスをベースに、国内のOperaコミュニティー拡大も狙い、シェアアップにつなげる。ユーザーコミュニティーサイト「My Opera.com」の日本語版を作成するほか、オフラインのユーザーイベントども行いたいという。

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