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「できない事業とは思わなかった」──旧JMネット親会社

» 2005年10月03日 17時58分 公開
[ITmedia]

 2004年に破産した旧ジャパンメディアネットワークが、実現不可能な事業計画を公表し、親会社の株価をつり上げたとされる事件で、東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は10月3日、証券取引法違反(風説の流布)の疑いで指名手配した同社の実質的な経営者の金融ブローカーの関係箇所を捜索した。

不正株価つり上げの“材料”となった「MobdeM」=2003年7月、「WIRELESS JAPAN 2003」

 同社は、携帯電話のアダプタに“専用モジュール”を接続し、携帯電話を即時に定額IP電話化する――という事業計画を2002年11月に公表。金融ブローカーは、ニュースリリースに親会社の大盛工業(東証2部)の名前を明記させるなどの働きかけをし、大盛工業の株価を不正につり上げた疑いがもたれている。金融ブローカーは大盛工業株式の売り抜けで約30億円の利益を得ていたとみられる。

 大盛工業は土木工事会社。旧ジャパンメディアネットワークに技術開発費名目などで十数億円を出資していたもようだが、2003年11月には資本関係を解消した。

 大盛工業は3日にコメントを発表し、「出資するに当たり、同社が目指していた事業が短期間で技術開発を完了し、事業化できるものと判断し、出資を決めた」などと説明。「事業展開が遅れたのは事実だが、社員による技術開発および営業への取り組みを見る限り、もともとできない事業であったとはまったく思ってもおりませんでした」とした。

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