コラム
» 2005年10月05日 18時54分 UPDATE

Googleの「CNET出入り禁止」は2カ月で解除されたが……

GoogleがCNETの取材に応じ、両者の対立関係は修復されたようだ。しかし、これで本当に一件落着か?

[IDG Japan]
IDG

 話はまだ終わっていない。

 そう、確かに、予測できる部分については決着した。Googleは、CNETの記者全員からの取材を1年間拒否すると脅しを掛けていたが、2カ月ちょっとでこの措置を解除したようだ。Googleのエリック・シュミットCEOが先週、CNET News.comのエリノア・ミルズ記者のインタビューに応じた(9月29日の記事参照)。ミルズ氏は、この騒動の発端となった記事を執筆した記者。Google絡みのプライバシー問題についての記事中、説明の一環として、シュミット氏についてGoogleで検索した結果を公表した。そこには、シュミット氏のおおよその資産、最近の同氏によるGoogle株の売却、同氏の自宅住所を載せた文書へのリンクが含まれていた。Googleの広報部門は、このやり方は限界を超えているとCNETに告げた。報道事業関係者とそれ以外の人の中に、そう考える人はほとんどいなかったが。

 わたしが、Googleは取材拒否を解除した「ようだ」と表現したのは、本稿執筆時点でGoogleはまだ、公にもCNETに対しても、シュミット氏のインタビュー応諾は一時的な休戦以上の意味を持つものだと確認していないからだ。しかし事情に詳しい投資家によると、Googleは実際、冷静さを取り戻して態度を軟化させている。唯一驚くべきは、そのために、こんなにも時間がかかったことだ。

 さて、それならなぜこの話にこだわるのか? これで決着がついたのではないのか? いい質問だ。

 力のある会社が特定メディアの表現手段や記者をどう扱おうが、少なくとも大半の人にとっては(幸いなことにただの傍観者でいられる報道関係者にとってさえ)大局的にはどうでもいいことだ。GoogleによるCNET攻撃は、ジャーナリスト歴30年のわたしがこれまで見てきた中で、最もひどい過剰反応といえるかもしれないが、流血には至っていない。

 だが、すべての人にとって大いに気掛かりなことがある。それは、個人情報を含め、あらゆる情報に極めて簡単にアクセスできることの価値と、その代償としてのセキュリティ、プライバシー、礼儀正しさのレベル低下とのバランスの保ち方がかつてなく重要となった今、そのようなバランスを取るという自らの役割について、Googleがどう考えているかだ。わたしは個人的には、情報に簡単にアクセスできることには、代償を払う価値が十分あると信じている。だがすべての人が同じ意見ではないし、Googleは、前に出て公に説明をする必要がある。

 わたしが最初からこの一件を重視していた理由はそこにある。まただからこそ、たとえシュミット氏の取材応諾が、同氏とCNETの目下の敵対関係の解消を示すものだとしても、話はそこで終わりではないのだ。

 Googleが、同社のサービスの適切あるいは不適切な使い方について自らの姿勢を弁明するありとあらゆる機会を拒否し続けている以上、この話はまだ終わらないし、記録庫行きと認定することもできない。

 今週わたしは、これで3度目になるが、Googleの広報担当ディレクター、デビッド・クレイン氏に、これらの件についての同社の考えを示してほしいと頼んだ。そして3度目の正直のかいもなく、礼儀正しい「ノーコメント」以外は何も得られなかった。

 「ご理解に感謝します」とクレイン氏から届いたメールにはあった。

 だが本当のところ、わたしは理解などしていない。この件を追っているほかの大勢の人もそうだろう。Googleの「反Googling」なスタンスについての記事が初めてニュースになって以来、途方に暮れる毎日だ。

 CNETの記事のどの部分が、シュミット氏、あるいはその臣下の怒りを買ったのだろう? 知る由もないが、可能性として高いのは、シュミット氏の自宅住所へのリンクだろう。

 ならば、お聞きしたい。これがシュミット氏以外の人、つまりわたしたちだったらどうなのかと。(ほんの遊びで今日の午後、Googleで「ラッシュ・リンボー(過激な発言で有名なコメンテーター)の自宅住所」をググってみた。クリック2回で探し当てた。この手のパワーの正しい使い方と悪用についてのシュミット氏の見解を、リンボー氏も知りたがるだろうか。)

 鳴り物入りで登場したGoogle Earthはどうだろう。このサービスでは、ブラウザとちょっとした勘がある人なら、他人の家の裏庭を見下ろせる。CNETの最初の記事に、シュミット邸のプールをのぞき見した画像が載っていたら、どうだったろう?

 これは、Googleの身内が関係する場合でさえ、いや、身内が関係する場合にこそ、Googleが避けて通れない問題だ。

 報道関係者は今後もGoogleにしつこく回答を求め続けて欲しい。

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