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Intel幹部、中国のCPU開発に賛辞

» 2005年10月19日 15時05分 公開
[IDG Japan]
IDG

 中国で開発された最新CPU「Godson-2」がIntel製品と近い将来競合することはないだろうが、このチップで達成された技術的飛躍は、設計ノウハウの積み上げが急速に進んだことを示している。米Intel幹部が10月18日にそう語った。

 Godson-2は最大500MHzのクロック速度で動作する64ビットプロセッサで、先行版である2002年に発表された266MHz動作の32ビットプロセッサ「Godson-1」よりもはるかに高性能だ。

 「その進化のカーブはすさまじいものだ」とIntelのマイクロプロセッサテクノロジーラボのディレクター、シェカー・ボーカー氏は台北のIntel Developer Forumでの記者会見で語った。中国科学院傘下のInstitute of Computing Technology(ICT)でGodsonチップラインに取り組む研究者チームは、チップ開発力を急速に高めたと同氏は指摘した。

 Intelはこの中国製CPUを競合製品としてではなく、中国の技術吸収の進展を示す明るい成果としてとらえているとボーカー氏は語った。

 「Intelはエコシステムの発展に向けて中国のチップ開発を応援している」(同氏)

 Godsonチップは、Intelが開発したx86アーキテクチャとは設計が異なる、ICTが言うところの「MIPSライクな」命令セットに基づいている。Godsonは米MIPS Technologiesが開発したCPUアーキテクチャ向けに作られたソフトやコンポーネントに対応しているが、Intel CPUはWindows OSなどx86アーキテクチャ向けに作られたソフトやコンポーネントに対応している。

 Intelは従来、CPUビジネスの参入者に対して協力的とは程遠かった。Texas Instrumentsなど半導体業界有数の企業をPCプロセッサ市場から追い出し、新規参入企業を常に警戒している。

 だが、Godson-2がターゲットとしているのはセットトップボックスなどほかの市場であり、必ずしもPC市場ではないと開発者は話している。実際、例えば同チップが搭載された低価格PCでは、ユーザーが利用できるOSはWindowsではなく、同チップのアーキテクチャに対応したLinux OSだ。

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