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出版社団体もGoogleを提訴――書籍スキャン計画で反発広がる

» 2005年10月20日 08時24分 公開
[ITmedia]

 図書館の収蔵本をスキャンして検索できるようにするという米GoogleのPrint Libraryプロジェクトをめぐり、大手出版社でつくる米出版者協会(AAP)は10月19日、許可なく書籍をデジタル化し配布するのは著作権侵害に当たるとして、Googleを提訴したと発表した。

 AAP側は裁判所に対し、著作本のスキャンは著作権侵害に当たるとの事実確認、および著作権者の許可を得ずにスキャンする行為の中止を命じるよう求めている。裁判は大手出版社のMcGraw-Hill Companies、Pearson Education、Penguin Group(USA)、Simon & Schuster、John Wiley & Sonsを代表する形で起こされた。

 AAPはGoogleのPrint Library Projectをめぐり、Google上層部との間で話し合いを続けてきたが、交渉が物別れに終わったことを受け、AAP理事会の圧倒多数で提訴を決めたとしている。

 AAPのパトリシア・シュローダー会長は「出版業界はGoogleを相手取ったこの訴訟で結束し、自分たちの権利を守る戦いにおいて結束している。Googleの検索エンジンが有用たり得ることは作家と出版社も認識しており、Print Libraryは素晴らしいリソースになるかもしれないと考えている。しかし現行の計画の下では、Googleは作家と出版社の才能と財産にただ乗りして大金をもうけようとしているということだ」とコメントしている。

 AAPでは交渉の中でGoogleに対し、米国の全書籍に導入されているISBN番号を使って著作権者の許可を得るよう求めたが、Googleに拒否されたと説明。これと対比してYahoo!主導の書籍スキャン計画「Open Content Alliance」を引き合いに出し、同計画が作者の権利を尊重しているのに対し、「GoogleはISBNによる解決を退けたため、われわれはこの訴訟を起こすしかなくなった」(シュローダー会長)と批判した。

 GoogleはPrint Libraryをめぐり、作家団体のAuthors Guildからも提訴されている。

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