P2Pとの「共生」に傾くISP
サンタクララで開かれたブロードバンド・ネットワーク事業者向けカンファレンスISPConでは、eDonkey、KazaaなどのP2Pソフトは800ポンドのゴリラだ。
このカンファレンスの参加者は、インターネットを使ってあらゆる人とコンピュータファイルを交換でき、自由に利用できるソフトがもたらす結果を止めることはできないと実感している。すべてのインターネットユーザーの約3分の1が定期的にファイルを交換しており、通信事業者のネットワークで生み出されるトラフィックの最大3分の2を占めている。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)はこの流れと戦うよりも、むしろこれを管理し、さらにはそこから利益を出せるようになろうとしていると、このカンファレンスに参加した一部の企業幹部は話している。
このカンファレンスで浮き彫りになったこのようなスタンスは、経済的な側面によるものだ。大量の音楽のダウンロード、そして最近増えている映画やゲームのダウンロードは、ユーザーが高額で高速な回線に乗り換える大きな理由となるため、ブロードバンド事業者は恩恵を受けている。実際、Webメディアトラフィック調査会社BigChampagneによると、人気ファイル交換ソフトのBitTorrentを介して入手できる映画は常時およそ170万本に上り、昨年から12%増えているという。
しかしP2Pソフトと共生しようとすることは、ブロードバンド事業者がP2Pソフトメーカーとともに、違法コピーされた作品の大量交換への措置を求める過酷な圧力に対処しなければならないということだ。ここ数週間で、エンターテインメント業界団体の全米レコード協会(RIAA)は、eDonkey、Kazaa、その他5社のP2Pソフトメーカーに停止要求通知を送っている(9月16日の記事参照)。
ほとんどのブロードバンド事業者は、P2Pを許容しているように見られることを嫌がる。それにより、彼らは大体においてRIAAの標的にされずに済んできた。しかしそうした姿勢も変わりつつある。ISPConでブロードバンドネットワーク管理企業Sandvinceの共同創設者兼CTO(最高技術責任者)マーク・モーリン氏が行った「新世代のネットワーク帯域食い」に関するプレゼンテーションには有名な業界幹部が何人か出席した。
例えばソニーは、英国などでファイル交換ソフトを使ってコンテンツを配信している。また一部の通信事業者は、ファイル交換のヘビーユーザーに、3~4ドル高い月額料金で帯域を多めに提供している。
「ISPは顧客を怒らせたくないが、何かしなくてはならない」とモーリン氏はカンファレンス会場で語った。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
デンマークの880万人分流出、原因はパスワード「123456」 ハッカー「侵入は難しくなかった」 現地報道
-
2
SBI証券のFXで“誤ロスカット” 再委託先IIJが作業ミス、システムでも検知できず 779口座が対象
-
3
「Google Play」、AI Studioで作った自作アプリを自分の端末で実行可能に AIでゲームを探す機能も
-
4
研究者グループ、中国Tencentのクラウド上の“逸脱”AIエージェント群と交信 報告書の隠しテキストで呼び込む
-
5
デジハリ大、「Claude」を全学導入へ──国内初、“回数気にせず”使い放題に
-
6
Google、待望の新AIモデル「Gemini 4 Argon」一般提供を開始 推論の継続力を強化 一部ベンチでトップに
-
7
化粧品販売「アエナ」約81万人分の個人情報流出か 氏名やクレカ下4ケタ・有効期限など
-
8
IDCFクラウド障害、一部でバックアップ取り出し可能に データ流出は「なかった」
-
9
小中学校の校務に“自前運用”の国産LLM NTT西と茨木市が全国初の実証
-
10
SpaceX、ウクライナ軍の「Starshield」に移動速度制限 マスク氏「決めるのは米軍と大統領」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR