ライブドアは10月21日、関連会社のネット広告会社・ライブドアマーケティングが、カタログ通販大手のセシール(高松市)を子会社化すると発表した。東証1部上場のセシール株式の過半を公開買い付け(TOB)などで取得する。ライブドアグループは、セシールが抱える1500万人の会員ベースをネット通販事業に活用する。
同日、都内で会見したライブドアの堀江貴文社長は「最大手の楽天に負けないよう、ネット通販事業を強化したい」と話した。
セシールは長期にわたる売り上げ減に苦しみ、同日、業績予想を下方修正して3期連続の赤字に陥る見込みだと発表した。資本提携で信用補完とキャッシュフローの改善を図りたいセシールと、顧客ベースをネット通販強化に活用したいライブドアグループとの思惑が一致した。
ライブドアマーケティングは、セシールの25.73%を保有する筆頭株主・アジア物産の100%を約104億円で買収。また10月24日から11月15日までTOBを実施し、24.4%に当たる983万3800株を下限として1株1000円で買い付ける。TOBは上限を設けず、総額は93億3000万円以上。買収資金はライブドアが融資した。
TOBが成功した場合、ライブドアマーケティングは50.1%以上を取得して子会社化する。また20%に相当する新株予約権を1株当たり460円で引き受ける。ライブドアマーケティングは、代表取締役を含め取締役の過半をセシールに派遣する。
この日のセシールの終値は前日比83円高(+7.71%)の1160円。同社株価は今週に入り急騰しており、この日の終値ではTOB価格に対しては逆ざやとなる。セシールの猪瀬具夫社長は「株価はマーケットが決めることだが、(急騰には)びっくりしている」と話した。
ライブドアグループは、女性を中心に約1500万人分を蓄積してきたセシールの会員データベースを活用。セシールの顧客に株式取引などの金融サービスを売り込むほか、ポータルサイトのコンテンツ提供などを進める。
セシールは「livedoorデパート」でネット通販を展開。ネット通販のノウハウをライブドアマーケティングから得て、ネットを活用する若者世代向け販売を強化する。またセシール会員をベースとし、法人向けダイレクトマーケティングサービスも始める計画だ。
ライブドアは8月、中古車販売のジャックホールディングス(JACHD)の買収を発表し、個人間の中古車ネットオークションを開始する計画を明らかにした。堀江社長は会見で、「JACHDの流通額400億円超とセシールの700億円弱、ライブドアの売り上げを合わせるとかなりの流通総額になる」と話し、「セシールとのシナジーを発揮し、日本を代表するネット通販事業者になっていきたい」と意気込んだ。
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