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障害続いた楽天証券、基幹DBをPAからItanium 2に切り替え

» 2005年11月09日 20時47分 公開
[ITmedia]

 楽天証券は11月9日の2005年9月中間期決算発表で、基幹データベース(DB)を含むシステム増強の詳細を明らかにした。基幹DBはItanium 2ベースの「Oracle Real Application Clusters」(Oracle RAC)を採用し、今月下旬には同一構成でもう1セット追加構築する計画だ。

 楽天証券は今年8月以降、取引量の急増にシステムが耐え切れず、8〜9月には計4回の障害が発生。金融庁から注意を受ける事態になっていた。

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 従来はPA8800/1GHz×64CPUをメインとし、障害時にPA8700+/875MHz×32CPUに切り替えるホットスタンバイ構成だったが、切り替えにタイムラグが生じ、その間にサービスが停止していた。

 基幹DB増強の第1段階は9月17日に実施。増強では、Itanium 2/1.6GHz×32CPU構成のノードを2ノードとし、Oracle RACによる2ノード常時稼働で負荷を分散する仕組みを採用した。キャパシティを約1.6倍に拡張できた上、負荷分散により高負荷が原因のOracleの障害を回避でき、1ノードにハードウェア障害が起きたとしてもサービス停止を防げるという。

 移行前の9月16日、国内株式注文29万4000件・約定12万6000件に対し、取引時間中のCPU負荷ピークは72%。だが増強後、相場が過熱した11月2日には注文が42万6000件・約定が17万9000件に達したが、取引時間中のCPU使用率ピークは51%で済んだとしている。

 11月26日予定の第2段階では、同構成のノードをさらに2ノード追加し、合計4ノード構成に増強。2ノード1セットによる2セット体制となり、キャパシティの拡大や夜間のバッチ処理時間の短縮が図れるとしている。今後の顧客増にはセットを追加することで容易に対応可能になるという。

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 9月25日には東証向け発注システムを2セット構築してキャパシティを約2倍に拡大したほか、昨秋から段階的に実施してきたWebシステムの移行も11月26日に完了。今後はハードウェア障害でもサービス停止は発生せず、拡張も容易だとしている。

 国重惇史社長は「設備投資計画を過小にみた」としてシステム障害の責任を取り、減俸5%(1カ月)の処分とした。国重社長は「3〜4月に9月のマーケットを予測できていなかった。設備投資を前倒しすべきだったと責任を感じている」と話した。

 同日発表した中間期連結決算は、営業収益が110億3300万円(前年同期比67.8%増)、営業利益が48億1900万円(同103.1%増)、経常利益が54億6000万円(同123.0%増)、純利益が25億6500万円(同164.6%増)。

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