米化学最大手の日本法人、ダウ・ケミカル日本は11月18日、布や革といったさまざまな素材を電子機器などの外装に貼り付ける装飾技術で日本市場に参入すると発表した。デザインで製品を差別化したい国内メーカーの需要開拓を進め、来春以降には同技術を活用した新製品が登場する見込みという。
同社が開発した「EXO」(エックスオー)技術では、木材、金属、皮革、デニムなどの布地といった装飾素材を、プラスチックの表面に射出成形で貼り付ける。自然素材を表面外装に使った家電など、見た目や手触りなどで一風変わった製品を実現できる。
汎用の射出成型が使えるため量産性が高く、多様な形状に対応できるのも特徴。装飾素材にラミネート加工を施しているのが同社独自のノウハウで、単に接着剤で貼った場合に比べて接着強度は強く、半永久的に持つという。
2000年、同技術を活用した事業を展開する「インクローシア・ソリューションズ」部門を米本社に設立。2001年には米Hewlett-PackardがPDA「iPaq」用のカバーとして初めて採用した。マイクロソフト「IntelliMouse」シリーズも採用し、マウス表面に人工皮革を貼ったモデルが販売されている(関連記事参照)。
日本では、プラスチック加工大手のソルプラスとライセンス契約を結んで本格参入する。ソルプラスはAV家電の本体ケースなどを手掛け、金型の設計・製作から精密成形・組み立てまでのノウハウを持つ。2010年に関連事業で売り上げ120億円を見込んでいる。
ダウ・ケミカル日本の石橋廣行営業部長は「家電や電子機器はデザインが売れ行きを左右する大きな要因になってきている。携帯電話や自動車の内装などにも展開していける」と期待する。既に具体的な話を進めているメーカーがあるといい、来春以降には変わった外装の製品が登場するという。
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