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XMとNapster、共同音楽サービスのβ版を提供開始

» 2005年11月24日 13時06分 公開
[Matt Hines,eWEEK]
eWEEK

 衛星ラジオの米XM Satellite Radioと音楽配信サービスのNapsterは11月22日、両社が共同で運営する音楽サービスのプレビュー版を立ち上げた。このサービスにより、衛星ラジオの視聴者には、オーディオ配信の新たなオプションが提供されることになる。

 「XM + Napster」と呼ばれるこの新サービスは、Napsterの一連のデジタル音楽ダウンロードサービスをXMラジオの視聴者向けに販売し、XMが顧客に提供するサービスの拡大を目指すもの。

 この合弁事業により、XMの顧客はNapsterのオンラインライブラリで提供される1トラック当たり99セントの楽曲を検索、ダウンロード、購入するか、あるいは同社の会員制ダウンロードパッケージのいずれかを介してコンテンツにアクセスできることになる。さらにXMの顧客は、Napsterの各種サービスを介して、自分で所有する楽曲をポータブルMP3プレーヤーに転送することも可能となる。現在、XMの顧客は500万人だ。

 両社の共同サービスについて最初に発表されたのは2005年7月。Napsterは今回のβ版のリリースにより、両社の長期的な戦略提携の一環として、XM会員向けの独占的な音楽ダウンロードサービスとなった。ホームページに「音楽革命のための数式」と記されているように、XM + Napsterの関係は、ユーザーにできる限り多くの配信チャンネルを提供するためのコンテンツサービスプロバイダーによる提携の動きが拡大していることを示している。

 両社の計画がうまくいけば、急成長中の音楽ダウンロード市場における両社の成功の見通しが高まることになる。このサービスにより、XMはApple Computerの人気サービスiTunes Music Storeで提供されているのと同様の機能を顧客に提供できることになり、Napsterには、XMとのつながりを理由に「競合のダウンロードサービスではなくNapsterを選ぼう」と考える新たな潜在顧客層が追加されることになるからだ。

 両社とも、XM + Napsterサービスの最終版の正式始動の時期についてはコメントしていない。

 なお、同サービスの一環として、XMの顧客には、同社の70局のいずれかで再生された楽曲をダウンロードする機能も提供される。つまり、リスナーはラジオを聴きながら、自分の手元に置いておきたい楽曲を選択できることになる。

 さらに両社は、アーティストに関する情報や、さまざまなDJによる推薦曲などの情報を掲載したポータルサイトを運営する計画だ。またXMの顧客は、Napster Lightソフトを使って自分のコンピュータやモバイルデバイス向けに保存した楽曲のプレイリストを作成できるようになる。

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