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» 2006年01月20日 16時16分 UPDATE

芸能人も“株価を意識した経営”を――芸能証券

ネタサイトかと思われていた「芸能証券」が、本気でビジネスを始めた。ガイアックスと共同でサイトをリニューアル。芸能人の新たな評価指標構築を目指す。

[岡田有花,ITmedia]

 デイトレードで失敗し、一文無しになったことがきっかけだった。暴落する持ち株のチャートを眺め、ふと思いついたという。「これを芸能人でやれば面白いのでは」と。

 芸能人名の検索ヒット数を株価に見立て、その変化を実際の株価のようにトラッキングできる「芸能証券」は、こんな風に生まれた。作った理由をあえて言うなら「暇だったから」。このサイトに将来、10以上のIT企業が飛びつき、実際にビジネスになるなど、構築した2004年11月当時は想像もしなかった。

photo 芸能証券

 「普通の会社なら企画書段階ではじかれるようなサイトだが、作ってしまったことに意味がある」――構築したカリン・パートナーズ代表取締役間辺覚さんはこう話す。元SEの腕と、デイトレードで蓄えた株の知識が生きた。

 芸能証券の市場は5種類。一般認知度の高い芸能人向け「芸証1部」「同2部」、成長途上銘柄などを集めた「GASDAQ」、お笑い芸人銘柄専用の「芸証ペガサス」、グラビアアイドル向け「芸証シスターズ」だ。上場芸能人数はまだ1000人弱だが、リクエストに応じて「上場審査」を順次行い、「芸証コード」を付与。独自のアルゴリズムで値動き(検索ヒット数)をトラッキングする。

photo 「小倉優子」の株価推移。検索条件は原則として、芸能人のフルネーム。小倉優子さんなら"小倉優子"で検索し、「ゆうこりん」などニックネームは反映しない。「嵐」や「小雪」など一般名詞の芸能人名は、実際の嵐や雪の話題に埋もれてしまいやすいが、「それはネット時代の芸能人の運命」ととらえ、あえてそのままにして中立性を保つ

 検索ヒット数の変動は実際の株価の値動きに近く、株価と同様の“売りシグナル”や“買いシグナル”も見えるという。「例えば株価は2回天井を打ったら下がる(売りシグナル)と言われているが、芸証の株も似た動きをする」。値動きは芸能関連のニュースに敏感に反応。サイトには「矢田亜希子が帰国で騒がれストップ高、ひさびさの報道に大きく反応」などと、芸能ニュースと値動きとの連動を解説した記事も載る。

 当初は細々と運営しており、アクセスを伸ばす気もなかった。しかし昨年3月、ネットのニュースサイトで紹介されるとアクセスがそれまでの約30倍に急増。10以上のIT企業から協業や買収のオファーがあった。その中から間辺さんが協業相手に選んだのはガイアックス。共同でサイトをリニューアルし、ブログ検索エンジン「テクノラティ」を導入。本格的なビジネス化を目指して12月に再スタートした。

 現在は、バナー広告とアフィリエイト広告が主な収入源。運営費もまかなえていないが、今後機能を拡張して事業を広げ、1年後には月間700万円程度、2年半後には7億円の売り上げを目指す。

 芸能ニュースも充実させ、芸能情報ポータルに育てる計画だ。その一環としてまず、芸能関連の話題について語るブログをコンテンツに加えた。芸能人のプロフィールや関連ニュース、値動きなどを収録した冊子「芸証四季報」の発刊も計画している。

 芸能人に付与したコード「芸証コード」も普及させたい考えだ。「投資の世界では、例えばライブドアは『4753』と呼ばれる。芸能界でも『小倉優子』=『6008』と呼ばれるようになれば」

 タレント事務所と組み、サイト上で新人タレントのプロモーションも行う。リアルイベントと結びつけた企画も展開する計画だ。「芸能人の“上場記者会見”を兜町でやれたら面白い」

 間辺さんは「芸証チャートを、視聴率やオリコンランキングに代わる、新しい指標として定着させたい」と野望を語る。「芸証の値動きを見れば、芸能人がファンの方を向いているかどうかが分かってしまう。芸能人の皆さんには怖いサイトだと思うが、客観的な数字を出していきたい」

photo 間辺社長

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