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» 2006年01月27日 20時42分 UPDATE

「mixiじゃダメなの?」にどう答える――地域SNSの意味

SNSは地域活性化に役立つという期待が高まり、地域密着型のSNSが急増しているが、「mixi」の地域別コミュニティーで十分という意見もある。

[岡田有花,ITmedia]

 地域密着型のSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)が急速に増えている。総務省主導で東京都千代田区と新潟県長岡市で地域SNSの実証実験を始めたほか、香川県に特化した「ドコイコSNS」や、福岡県の「VARRY」、東京都港区六本木に限った「六本木貴族」など、この1年で10以上の地域SNSがオープンしている。

 地域の情報化を考える団体「CANフォーラム」(会長・国領二郎慶応義塾大学教授)は1月27日、地域SNSの可能性を考えるセミナーを開き、SNSによる地域活性化への期待などを話し合った。

photo セミナーには100人の定員いっぱい集まった

 「SNSがコミュニティーのセイフティーネットになるといい」――NPO法人はりまスマートスクールプロジェクトの和崎宏理事長はこう期待する。SNSで地域の誰かと常につながっていることで、何かあれば人を集めたり、すぐに助けを呼べる環境が構築できれば理想的だとする。

 ただ、地域の人と交流したいだけなら、既に250万人以上の会員を集めている「mixi」の地域別コミュニティーで十分ではないか、という意見もある。「mixiの香川県コミュニティーでいいというのは、すごく正しい」――香川のドコイコSNSを運営する河野大輔・ドコイコ社長はこう認めながらも、ドコイコSNSは、香川に実際に住む人が情報を提供しているという「泥臭さ」を魅力にしていきたいという。

 地域SNSのさきがけとなった「ごろっとやっちろ」(熊本県八代市)を運営する八代市情報推進課の小林隆生さんは、「ごろっとやっちろ内の発言は、地元の人に見せることを意識しながら書かれている」とし、mixiなどよりも地元に密着した情報が集まりやすく、存在意義はあると語る。

 国際大学GLOCOMの丸田一教授は「例えば、八代市のディープな情報は、mixiのサーバよりも八代市にあるのがふさわしい」とし、地域SNSが地域情報の集積地となりうると話す。

 異なるSNS同士の情報を統合するプラットフォーム「Affelio」を開発する、Affelio代表取締役の大越匡さんは、地域SNSを地域振興につなげるためには、例えば、そのSNSに参加すれば地域のバザーに優先的に参加できるなど、地域SNSならではの魅力を作る必要があると指摘する。また、数の面では全国規模のSNSにかなわないという不利を克服するために、地域SNS同士が連携する必要もあるとした。

 その環境は整いつつある。ごろっとやっちろのシステムをオープンソース化した「open-gorotto」は、地域SNS同士を連携させる機能を備える予定。開発した小林さんは「インターネットは広すぎる」と指摘し、今後は地域などをベースにした「ネットのクラスタ化」が進むと見る。地域SNSなどを1つのクラスタと見立て、クラスタ同士がゆるくつながることで、負荷分散された大規模なネットワークができるという見方だ。

 地域SNSへの取り組みは始まったばかりで、可能性は未知数だ。CANフォーラムの国領二郎会長は、「ネットやSNSが地域活性化の道具となりうると同時に、地域がネットをパワーアップさせる可能性もあるのでは」などと語った。

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