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キリンビバレッジが本格EC 著名人のオススメ品販売

» 2006年02月02日 18時27分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 キリンビバレッジは2月2日、著名人のお気に入りの品を紹介・販売するECサイト「Markers」をオープンした。飲料以外のビジネスを模索する同社の新事業で、自社商品だけでなく、オリジナルで企画した商品や、他社商品も広く紹介する。まずは半年間テスト操業し、可能性を探る。

photo Markers

 「清涼飲料水の市場規模は3兆5000億円だが、ネットECの市場規模は5兆6000億円。6年で87倍にも伸びている」――同社経営企画部長の河内進氏は、急成長するECの可能性に期待する。同社は、現在約4000億円の売上高を2012年に1兆円に高める計画だが、「清涼飲料水ビジネスの範囲内で1兆円達成は困難」(河内氏)と判断し、事業領域拡大の一環としてECへの参入を決めた。

 ECは、楽天やヤフーなど強力なプレイヤーがひしめいているが、Markersは既存ECとは異なる視点でユーザーを獲得するという。河内氏は「既存のECは、あらゆる商品を検索でき、あらかじめ買いたい物がある“目的買い”には便利。しかし検索が苦手な人には不便で、『何かいいものはないか』と目的なく探すのも難しい」と指摘。Markersは、Flashを駆使した雑誌感覚のインタフェースで検索が苦手な人にも使いやすくし、ウインドウショッピング感覚で未知の商品と出会える場にした。

photo ショッピングカートの役割を果たすのはクリップボード。気に入った商品は、ドラッグアンドドロップでクリップボードに貼り付ける

 オープン当初は、栗原はるみさんやDr.コパさんなど10人がすすめる食器や日用品など100点の商品を閲覧・購入可能。生茶パンダ関連商品やトマト飲料など、同社商品も販売する。商品数は順次増やす。オリジナルで企画・編集した独自記事もふんだんに掲載するほか、Amazon商品のアフィリエイトリンクも一部掲載する。

 サービスの認知を高めるために、ネット広告を展開するほか、生茶など同社製品の広告にもPRを挿入する。購入には会員登録が必要で、2カ月で4万人の登録を目指す。半年間のテスト操業後も事業継続が決まれば、初年度30万人の登録と20億円の売り上げを目指す。

photo 「好きな物を紹介できてうれしい」と栗原はるみさん

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