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ネットサービス“そっくりさん”登場のなぜ(2/3 ページ)

» 2006年02月13日 11時08分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 スタッフによると、リニューアル前、多くのユーザーに「フレパのUIはなぜmixiと異なるのか」「mixiのUIの方が使いやすい」などと言われ続けたという。「mixiはそこまで強大な存在で、この流れに逆らうとサービスとして拡張できない。悔しいけれど」

 mixiに似たSNSはフレパ以外にもある。アキバ系専用SNS「Filn」や、香川県に特化した「ドコイコSNS」などで、それぞれオープンソースのSNSソフト「OpenPNE」を利用している。

 OpenPNEを開発した手嶋屋の手嶋守社長は「SNSをスムーズに使ってもらうために、最も人気のあるmixiを参考にするのが最適と判断した」という。開発当初は「GREE」や「トモモト」など他SNSのデザインも参考にしたが、mixiユーザーの急増を見て「mixiへの評価が高まった」と考え、mixiのデザインや機能の多くを参考にしたという。

photo Open PNEで開発したSNS(左)とmixi

真似された側は黙認

 デザインを真似された側はどう思っているのだろうか。ミクシィの笠原健治社長は、mixiに似たサービスの存在について、「mixiをベンチマークにしていただけるのはありがたい」と話し、それ以上の言及を避けた。

 ヤフーも歯切れが悪い。同社の広報担当者は「多くのお客様に支持される商品やサービスが似通うということは、ネットに限らず起こることなのかもしれない」と、模倣を容認しているとも取れる表現をしつつも、「Yahoo! Japanとしては、お客様により便利で支持されるものを独自で開発運営していきたい」と、オリジナルで開発していく姿勢を強調する。

 Yahoo!Answersに似たlivedoor knowledgeや、Flickrに似たlivedoor PICSについては「Answers、Flickrとも米Yahoo!のサービスなのでコメントは差し控えたいが、すでにブログなどで話題になっているのは確認し、批判などさまざまな反応があるようだ」とした。

 livedoorとYahoo!JAPANのトップページも、デザインが似ている点はこれまでよく指摘されてきた。これに対しヤフーは「ライブドアの堀江貴文前社長が、メディアの取材などに対して、弊社サイトを意図的に模倣していると公言されていたのは認識はしている」とコメントするにとどめた。

ライブドアポータル(左)とYahoo!ポータル

 ただ、同社サイトをコピーしたフィッシュングサイトなど、「お客様に被害がおよぶような模倣サイトは決して許されない」(同)としている(関連記事参照)

 ミクシィやヤフーが、自社開発のサービスに似たサイトに対して明確に「No」を言えない背景には、IT系サービスの開発が、模倣なしには成り立ちづらいことがありそうだ。

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