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» 2006年02月17日 13時19分 UPDATE

“テレビの技”でネットに切り込む――「ニュース・プラス1」配信 (1/2)

ネットユーザーをつかまえ切れず、テレビ局が迷っている。ネットでも通用するテレビ局の強みとは何か――答えの1つが日テレの「ニュース・プラス1」のまるごと配信だ。

[岡田有花,ITmedia]

 「ネットの1万アクセスが、本当に愛しい」――日本テレビ放送網の担当者はこう漏らす。テレビ局は、何千万人もを惹きつける番組制作ノウハウを持つ。しかし“ネット視聴者”は、数万人をつかみ取るのも難しい。

 テレビ局ならではのネットコンテンツとは何か――「ニュース・プラス1」の当日配信が、答えの1つだ。ニュース動画のネット配信は珍しくないが、テレビで放送した番組をそのまま、2時間後に配信するのは国内初の試みだ(関連記事参照)

ALT 本社5階の報道フロア。奥のスタジオで、ニュース・プラス1の収録が行われる

 東京・汐留にある日テレ本社。午後5時50分の放送開始と同時に、ネット配信向けエンコードが始まる。編集ブースでは、権利の関係で配信できないコンテンツが抜かれ、再エンコードに回る。

 例えば、トリノ五輪の映像はネット配信が一切不可。著作権のある音楽やタレントの出演部分など、権利者との合意が取れていない内容も全カットだ。27分間の番組を数十分で編集し、配信可能なコンテンツに仕上げる。テレビとネットのスタッフが協力し、時計をにらみながら作業を進める。

ALT 編集ブースで編集作業中のスタッフ。同社は今後、編集作業をできるだけ少なくしていきたい考え。ネット放映を許可してもらえるよう権利者や権利団体と交渉中だ

 権利フリーの素材だけを使った“ネット専用品”を作れば楽になるかもしれない。しかしそうはしないし、そうしたくない。「プロの手による完成品」を、ネットに乗せたいからだ。

 ニュース・プラス1は、日テレが創業から50年以上かけて培ってきたノウハウを駆使し、計算し尽くして構成した自信作。これをまるごと見せることが、テレビ局としての矜持(きょうじ)であり、“ネット的”な見せ方へのささやかな反抗でもある。

ALT ネット配信の反響は予想以上。特に、海外からの反応がいいという。今後はCMを挿入するなど、ビジネス化の手だても探る

 「新聞や雑誌は、これまで培ってきたノウハウを、ネット上では簡単に捨てている。それが理解できない」――同社報道局デジタル戦略担当部長の若井真介さんは言う。新聞のネット媒体の多くは、個々のニュースの見出しリンクを平坦に並べる構成。見せ方を工夫する余地は、紙の紙面ほどにはない。

 「“ネット的”なことは、やろうと思えばできると思う」――若井さんは、自らが「ネットの素人」と認めた上でこう話す。短いニュースを分野別に整理し、リンクをずらりと並べ、検索窓やランキングを付ける――そんなシンプルなサイトを作ることは、難しくはない。

 ただ、そんなサイトはおそらく、新参のネット企業でも作れる。ニュース・プラス1は、日テレでないと作れない。“テレビ局でないとできない何か”をネットに持ち込もうと、日テレは試行錯誤を続ける。

ALT 編集を凝らした「第2日本テレビ報道部」のトップページ
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