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» 2006年03月09日 20時18分 UPDATE

廃業する中古店も 広がるPSE法の波紋、集会で訴え (1/2)

中古家電の一部が販売できなくなるPSE法の本格施行まで1カ月を切った。廃業に追い込まれた中古店もあり、波紋は広がっている。

[岡田有花,ITmedia]

 「矛盾だらけの法律、考え直して」――中古楽器店オーナーや、中古家電店スタッフ、音楽愛好家など約100人が集まって3月9日、電気用品安全法(PSE法)を考える集会を開いた。中古楽器店や音楽ファンなどで構成する団体「PSE法(電気用品安全法)の改正を求めます。」が主催。国会議員も参加し、同法の問題点や中古店の現状、今後の対策を話し合った。

画像 集会は衆議院第2議員会館で開かれ、約100人が参加した

 PSE法は「PSEマーク」のない家電製品の業者による販売を禁じる法律で、2001年に制定された。今年4月に一部製品の猶予期間が切れ、冷蔵庫や電子楽器など約260品目がPSEマークなしでは販売できなくなる(関連記事参照)

中古事業者は混乱、廃業も

 経済産業省は、同法をメーカーには告知してきたが、中古事業者への告知はほとんど行っていなかった。多くの中古店は今年に入ってから同法を知り、対応に苦慮している。

 東京・秋葉原ラジオ会館に店を構える中古楽器店「清進商会」は、約500ある商品のほとんどがPSEマークなしの“ビンテージ物”。4月以降、売れる物がほとんどなくなるため、閉店を決めたという。

 2人いた従業員はすでに解雇した。今後は夫婦2人で、機器の貸し出しやダビング、修理などを行っていくと決めたが、それだけで生活していけるのか、不安は消えない。「死活問題です。何とか助けてください、心からお願いします」――同店店主の妻・小川道子さんは窮状を訴える。

画像 小川さんは2003年に同法を知り、「電源コードが売れなくなるのでは」と経産省に問い合わせたが「問題ない」と言われたという

 中古機器販売・しらくらの荒井哲夫社長は「今年に入ってPSE法を知り、古物商を管轄する警察庁に問い合わせたが、警察も知らなかった」と、経産省による告知の不徹底を指摘。「(PSEマークなしでも)使っていい、譲渡してもいいのに、売ってはいけない、というのはおかしい」と矛盾を訴える。

錯綜する情報

 対象商品の範囲も不明確だ。経産省は対象商品リストを公開しているが、ボーダーライン上の商品も多い。音楽プロデューサーの高橋健太郎さんは「経産省に口頭で問い合わせると丁寧に説明してくれるが、担当者によって答えが異なることもある。明確なガイドラインを文書で示して欲しい」と訴える。

 禁止事項も明確ではない。中古品販売はダメでも修理はOKなのかなども不明で、グレーゾーンが広すぎるという意見も出た。

「消費者の選択肢奪う」

 PSE法は、リサイクルの精神にも反しているという意見も相次いだ。「まだ使える商品が大量のゴミになる」と、業者向け中古機器を販売する小川浩一郎さんは危ぐする。

 「安い物を買いたい」という消費者の選択肢も奪うとする声もあがった。「若い貧乏な奴らが買いに来るんです」と、高円寺(東京都杉並区)のリサイクルショップ・素人の乱スタッフは言う。

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