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Seagate、1.8インチHDDに参入か

» 2006年03月10日 14時09分 公開
[ITmedia]

 米Seagate Technologyが1.8インチHDDに参入する可能性がある。同社幹部が3月10日、近い将来に製品を発表するかもしれないことを示唆した。

 1.8インチHDDはApple Computerの「iPod」などのモバイル機器に搭載されており、大容量化が進めば一般的なノートPCなどにも採用が拡大すると予想されている。現在は東芝と日立グローバルストレージテクノロジーズが生産しているが、富士通が2007年度前半に新規参入する計画を明らかにしている(関連記事参照)。HDD世界最大手のSeagateが参入すれば競争が激化しそうだ。

photo Seagateの現行コンシューマー製品ラインアップ。これに1.8インチが加わる予定

 Seagateグローバルコンシューマーエレクトロニクスマーケティングディレクターのロブ・ペイト氏は「1.8インチは成長市場であり、研究・開発への投資はしている。将来何か発表できるかもしれない」と話した。参入時期など詳細については明言しなかった。

 東芝が携帯電話への搭載を始めた0.85インチHDDは「サイズが小さいため、フラッシュメモリに容量で追いつかれるだろう」(ペイト氏)とし、参入計画はないとした。

 Seagateは現在、モバイル向けには1インチHDDを展開しており、ペイト氏によると1インチHDD市場での同社シェアは45%。CreativeやiRiverなどが携帯プレーヤーに採用している。

photo 新製品「ST1.3」(左)。耐衝撃性は33%向上して2000Gになり、携帯機器が1.5メートルの高さから硬い床に落下しても問題ないという

 ペイト氏はこの日、垂直磁気記録方式を採用して12Gバイトに大容量化した1インチHDD「ST1.3」を国内発表した(関連記事参照)。従来比で容量が倍増しているが、コンパクトフラッシュ(CF)コネクタをZIFに変更するなどし、40×30×5ミリと現行モデルから23%小型化。消費電力も30%削減した。今年第3四半期に量産出荷を始める計画だ。

photo Parks AssociatesによるHDD搭載モバイルデバイスの市場予測

 調査会社のParks Associatesによると、HDDを搭載したモバイル機器の世界市場規模は2006年には3500万台だが、2010年にはほぼ倍増する見通し。うち携帯電話が4割を占めると予想し、動画などリッチコンテンツ配信の拡大がHDD携帯の普及を後押ししそうだ。ペイト氏は「CE-ATA(携帯機器用HDDインタフェース)の規格が固まる来年以降、HDD搭載携帯電話が大量に登場するだろう」と見ている。

photo 小型化を果たし、1インチでも携帯電話に容易に搭載できるとしたペイト氏。3.5インチでは500Gバイトの大容量モデルを投入しているが、「家電メーカーからは『HD録画だと80時間だ』と言われた。つまりエントリーモデル」と苦笑し、さらに大容量化を進めると話した

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