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「Microsoftはいまだ命令不履行」――欧州委員会が仮判断通告

» 2006年03月11日 07時46分 公開
[ITmedia]

 欧州委員会は3月10日、「Microsoftはいまだに2004年3月の裁定に基づく是正条件を遵守していない」との仮判断を下し、同社に通告書を送ったと発表した。

 この問題では欧州委員会が2005年12月22日、Microsoftに対して最大で1日当たり200万ユーロの罰金を命じる可能性があると警告。Microsoftはこれを受けて、製品の相互運用に関する文書の改訂版を提出していた。

 欧州委員会が任命した遵守状況監視者であるニール・バレット氏は、Microsoftと会談したうえでこの改訂版の技術文書を検討。その結果、「重要なことは何も付け加えられていない」と判断し、内容は依然として不完全、不正確、利用不可能だと結論付けた

 また、同委員会が専門助言者として契約した知的財産評価の専門企業、TAEUSもMicrosoftの技術文書について「有用な情報は最低限に抑えながら、量(ページ数)を増やすことを基本的な目的として」執筆されていると断罪した。Microsoftの対応はまるで、自動車メーカーがタイヤのない車を供給しておいて、苦情を受けてタイヤは付けたが今度はエンジンがない、ハンドルがない、ブレーキがないといった欠陥が次々と浮上するような状態だと批判している。

 欧州委員会はこうした報告を分析し、Microsoftが提出した情報は依然として不完全で不正確だとの仮判断に至った。

 今後はMicrosoftの請求に従って、3月30日と31日に口頭審問が開かれる予定。その後欧州委員会からMicrosoftに対し、12月15日にさかのぼって罰金を支払うよう言い渡す可能性があるとしている。

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