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「有害サイト閲覧」「ネットで中傷」も補導対象に 奈良県条例案

» 2006年03月22日 17時26分 公開
[ITmedia]

 奈良県議会で3月24日に採決される「奈良県少年補導条例」案は、少年を対象にした補導活動に法的な根拠を与える全国初の条例となる。補導の対象となる「不良行為」には、いわゆる有害サイトの閲覧や、ネット上での中傷行為も含まれている。

 条例案は、不良行為として喫煙や飲酒など26項目を規定。そのうち18歳未満の場合、インターネット関連として(1)いわゆる出会い系サイトの利用、(2)県青少年健全育成条例の定義に該当する「有害サイト」の閲覧、(3)他人を中傷するような情報をインターネットを利用して他人が閲覧することができる状態に置き、又は電子メールを利用して他人に送信する行為──が含まれている。

 このほか学校を無断で遅刻・欠席して徘徊(はいかい)したり、自ら進んで入れ墨を受ける行為、も対象となっている。

 条例案は既に20日の予算審査特別委で可決されており、24日の本会議で可決・成立すれば7月から施行する予定。

 少年への補導活動には法的な根拠がなく、警察庁は法制化を目指して検討を進めており、条例案はこうした動きを先取りした形だ。

 条例案には日本弁護士連合会などが反対しており、奈良弁護士会は「『不良行為』の範囲は極めて広範にわたっており、かつその定義が漠然としているものもある。これらを規制の対象とするならば、警察権限の市民生活に対する不当な介入をほとんど無限定に認めることにもつながりかねない」と指摘している。

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