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アレの半分は何でできてる?――「成分解析」が人気

» 2006年04月03日 11時56分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「ITの半分は野望で出来ています」「ツンデレはすべてやさしさで出来ています」――単語を入力すれば、どんなものでも瞬時にその“成分”を解析してくれるソフトがある。

 フリーソフト「成分解析」で、3月末からブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)を通じて急激に流行。ユーザは、気になるキーワードを解析しては、面白い結果を報告し合っている。

画像 「会社」の解析結果。妙に当たってる

 例えば、M&Aを繰り返す某IT系企業の社長の名を入れると「45%が野望」「26%が株」と解析され、「なにやら当たってる」と驚いたり、自分の本名を入れて「やらしさ」や「毒電波」「気の迷い」でできていると解析されてへこんだり――単純なソフトだが、思いつくあらゆる単語を入れては一喜一憂してしまう。

あの頭痛薬、残り半分は「下心」?

 同ソフトを作ったのは、IT企業に勤める神奈川県在住の会社員・Clockさん(24)。ヒントはやはり、あの頭痛薬だった。

 「知人との会話中『某頭痛薬の半分はやさしさで出来ているって言うけど、もう半分は何で出来てるか知っている? 下心だよ。下心がなきゃ効かないんだよ』という発言があり、ではその他の物質も適当に成分を解析してみたら面白いのではないかと思い、作成しました」

 「やらしさ」「愛」など解析結果の成分は、「頭痛薬の残り半分は何でできていそうか」を考え、友人にも相談しながら決めたという。「白インク」や「花崗岩」など薬っぽくないものも入れ、バリエーションを広げた。

画像 某頭痛薬の解析結果。「やさしさ」は含まれていなかった

 解析の仕組みは単純だ。入力された文字列を一定のルールに従って乱数化し、割り算を繰り返すことで成分を“検出”する。

 「当たるように乱数を操作したり、成分の並び替えを行ったり、ということはやっていませんが、解析結果を見ると人は『ある程度当たっているもの』として解釈してしまうようです」

 Windowsアプリ制作の練習も兼ねていたというこのソフトは、個人サイト「カドルコア世代」で昨年11月に公開した。当時は特に話題にならず、サイトのページビュー(PV)は1日あたり10〜20程度だった。

 3月末に人気ブログや2ちゃんねる、SNSなどで話題となってアクセスが急増。ダウンロードページは現在は1日5〜6万PVを集めているという。

 「当初は内輪で楽しめればいいかなと思って公開していたのですが、ネットの至る所で見るようになり、作者である私自身が一番驚いています。このようなシンプルなソフトウェアでも注目を集められるという一つの既成事実となれたのなら、1ソフトウェア製作者として喜ばしい限りです」

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