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“3番手”マカフィーの新戦略 無線LAN用セキュリティソフト発売

» 2006年04月18日 19時15分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 トレンドマイクロとシマンテックの2社がシェアを分け合うセキュリティソフト市場で、3番手のマカフィーが攻勢をかける。無線LAN専用のセキュリティソフトを新たに発売するほか、4月下旬から「過去にない規模の予算を投じる」(同社)というキャンペーンを展開して認知度を向上させ、シェア拡大を図る。

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 マカフィーは、2003年10月にコンシューマー市場に再参入(関連記事参照)した。コンシューマー向けセキュリティソフトの金額ベースのシェアは、2005年3月末時点で13%(富士キメラ総研調べ)といい、2008年までにこれを30%に伸ばす計画だ。

 新たに、無線LANのセキュリティソフト「ワイヤレスホームネットワークセキュリティ」シリーズを、4月下旬から順次発売する。無線LAN設定を自動で行い、通信を暗号化して不正アクセスや盗聴などを防ぐソフトで、WEPキーを3時間おきに変更する機能も備えた。

 同社がYahoo!リサーチと協力して行った調査によると、無線LANユーザーで「セキュリティ対策を何も行っていない」と答えた人は44.9%。その理由として最も多かったのは「設定が難しい・分からない」(44.8%)だった。新製品は、ワンクリックで簡単にセキュリティ設定できるようにし、初心者ユーザーにアピールする。

 単体製品と、3ユーザーパック、総合セキュリティソフト「インターネットセキュリティスイート」とのセットをそれぞれリリースする。ダウンロード版は4月下旬、パッケージ版は6月上旬に発売する。単体製品の価格は、ダウンロード版が2980円、パッケージ版が3885円。

ブランディングに注力

 2003年の参入以来、順調にシェアを伸ばしている同社だが、ブランド認知については「上位2社に比べるとまだまだ足りない」(同社コンシューマ企画推進本部の東栄一本部長代理)状況。売り上げの大半がISP向けのASPサービスで、ブランド力が物を言う店頭販売は弱いという。

 今年はブランディングに力を入れ、コンシューマーの認知を高めて店頭販売でもシェアを取りに行く。4月20日からキャンペーンサイトを開設し、動画広告やブログを展開するほか、雑誌やWebサイトへの広告も積極化。店頭でもキャンペーンを行う。キャンペーン用に、黒字に赤いハートマークと「Don't worry McAfee」の文字を入れたロゴも作成した。

画像 ロゴマーク入りのポスター

 秋の新製品発表と同時に、さらに大きなキャンペーンを行う予定だ。

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