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貸しオフィスがもっと便利に――追加料金なしでマッサージ機も(1/2 ページ)

» 2006年05月24日 16時04分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 「静かな場所で仕事したい」「社内の会議室は使いたいときに使えない」「都心の拠点はコストが……」などなど、仕事に直結するワークスペースの悩みは尽きない。そんな問題を解決するのが、コクヨの貸しオフィス「DESK@」だ。早速、5月25日にオープンする品川港南口店にお邪魔してみた。

コクヨの貸しオフィス「DESK@品川港南口店」

 喫茶店などで、コーヒーを飲みながらノートPCのキーボードを叩くビジネスマンをよく見かける。最近では無線LAN環境を備える喫茶店もあり、コーヒー1杯分(200円程度)の料金を支払えば、適当なワークスペースとしてそれなりに利用できるようになってきた。かく言う筆者も、取材後にコーヒーを飲みながら執筆する機会も多い。

 ただし、喫茶店では「間仕切りもなく外部の人に資料を覗き込まれる危険性」や「企業内LANにアクセスできない」など、セキュリティやネットワークの都合で利用には不向きな店舗もある。また、無線LAN環境を備えている喫茶店であっても、電源を自由に使わせてくれるところはそれほど多くはない。

ロッカーに電源アダプターを保管して“常宿”にするビジネスマンも

 コクヨの貸しオフィス「DESK@」では、そんな悩みを解消する。利用料は会員が15分180円〜、ビジターが260円〜。FTTHによる有線LAN(実効速度は約50Mbps)を完備し、VPNで企業内LANに接続できるほか、ノートPC用に電源コンセントも用意している。

 セキュリティにも配慮した。館内のネットワークはバーチャルLANで構築されているため、ネットワークに接続するほかの利用客のPCにはアクセスできない。また、貸し出し用PCにはウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」もインストール済みだ。ロッカー(ビジターの月額利用料は3150円)も借りられるため、ノートPCの電源アダプターなどを保管して“常宿”にするビジネスマンもいるようだ。

貸し出し用ノートPC(左)。ロッカーを借りてノートPCの電源アダプターなどを保管

 別途料金で利用できる紙の印刷は、ネットワークプリンタで出力する。複数の利用者からのプリントアウトを一括して出力するため、ほかの利用者が出力した紙を持っていってしまうなどの情報漏洩が気になるところだが、実際には受付カウンターのスタッフが仕分けして利用客に手渡す仕組みだ。プリントアウト時は、必ず席の番号などが記載されたヘッダー用紙が同時に印刷され、そのヘッダーを見て振り分ける。従って、スタッフも印刷した書類の内容を直接見ることはないという。

席の番号などを記載

自分にあった環境で仕事したい!

 仕事の環境は自分にあったものにしたい――。そうした思いから、デスク周りを自分好みにしている人は多い。とはいえ、会社での“カスタマイズ”にはおのずと限界も出てくる。

 このごろはオフィスの禁煙化を進める企業も多い。会社や自宅で自由にタバコを吸いたい愛煙家の立場は弱くなる一方だ。タバコを吸わない人から見れば当然のように思えるが、愛煙家からすればこれも限界のひとつだろう。

 品川港南口店では、オープン席(6席)やブース席(9席)、個室(3席)などのほか、空気清浄機を備えた喫煙ブース(3席)や喫煙ゾーンも用意した。フロアは基本的に禁煙だが、喫煙ブースを利用すれば愛煙家も落ち着いて仕事に励める。コクヨの伊藤正敏氏(DESK@事業グループ店舗開発チームビジネスプランナー)によれば、タバコを吸いながら仕事ができる環境を求めて「近所の会社であっても来る人がいる」という。もちろん「健康を害さない程度に利用してほしい」。

喫煙ブースとフリーの喫煙ゾーン

 騒音を気にする人もいるだろう。静まり返ったオフィスで、突然携帯電話が鳴り出せばびっくりする。さらに通話が始まってしまったりすると集中力も途切れがちになる。そこでDESK@では携帯電話の利用を制限した「クワイエットゾーン」も用意している。

 品川港南口店のオープン席やブース席は窓に面している席が多く、天井も約3メートルと高いことから意外と開放感のある作りだった。3席ある個室は1人でも利用可能だが、机をはさんで対面でも利用できる。これまでも面接やコーチングなどに使われるケースがあった。英会話のレッスンに利用する人もいたという。

クワイエイットゾーン(左)。個室(中央)は対面利用も可能。右はブース席。天井が高いことから意外と開放感もある
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