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ネットメディア記者にも情報源秘匿権――Appleの情報リーク訴訟で裁判所判断

» 2006年05月27日 07時58分 公開
[ITmedia]

 米Apple Computerが未製品発表の情報リークに関してオンラインジャーナリストを訴えている訴訟で、カリフォルニア州の控訴裁が5月26日、「情報源秘匿に関してオンラインジャーナリストはオフラインの記者と同じ権利を持つ」との判断を下した。電子フロンティア財団(EFF)が発表した。

 この訴訟では、AppleがオンラインニュースサイトのPowerPageとAppleInsiderに未発表製品に関する情報をリークした人物を相手取り、氏名不詳のまま訴えていた。

 Appleは調査の一環としてPowerPageの電子メールサービス提供企業、Nfoxに対して召喚状を発行し、PowerPage発行人のジェイソン・オグレイディー氏が入手した通信記録の公開などを要求。一審ではこの召喚状が認められたが、EFFがこれを不服として控訴していた。

 控訴裁の判決では「『正規』のニュースと『正規でない』ニュースを線引きできるような基準には思い至らない。裁判所がそのような線引きをしようとすれば、米修正憲法第1条(言論の自由)の基本理念をないがしろにすることになる」と指摘。カリフォルニア州の記者保護法、および憲法上の情報源秘匿権に基づきオグレイディー氏は保護されると判断した。

 さらに、AppleのNfoxに対する召喚状は連邦法に違反するため執行できないとして退けている。

 EFFはこの判決について「インターネットでニュースを配信している市民記者すべての言論の自由の勝利であり、電子メールの利用者すべての電子プライバシーの勝利だ」と歓迎する談話を発表している。

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